取引の仕組み
レッスン 3 / 6
買いと売り
よく言われるように「取引をするには2人の人が必要」です。この場合の2人とは、以下の人を言います。
- 買い手: 通常、資産価値が上昇する可能性が高いと信じている人。「強気筋」とも言われます。
- 売り手: 一般的に資産価値は下落し始めると考えている人。「弱気筋」とも言われます。
その関係が相場を動かす力になります。その仕組みを見てみましょう。
車を買いたい人がいたとします。おそらく望む車種の中で最も安い価格の車を探すことでしょう。買い手が少なければ、望みどおりの価格で手に入れることもできるでしょうが、人気が高い車が欲しいとなれば、買い手も多くより高い代金を支払わなければならなくなるかもしれません。
金融商品も同じです。買い手からの需要が大きく、売り物が少なければ相場に影響がでます。
練習問題
下記のケースの場合、どちらの現象が起こる可能性が高いですか?
上場企業が発表した決算が市場予想を大幅に下回るほど悪かった。正解
不正解
投資家を落胆させる決算は、一般的にその株を購入する投資家数より売却しようとする投資家が増え、株価下落につながることが多いです。練習問題
下記のケースの場合、どちらの現象が起こる可能性が高いですか?
原油生産国の政治情勢が不安定になり、原油の供給量が下がる場合正解
不正解
原油に対する需要がその供給を上回ると予測される場合、原油価格は上がります。練習問題
下記のケースの場合、どちらの現象が起こる可能性が高いですか?
日本政府が円安を促す政策を実行すると報道された場合。正解
不正解
投資家にとって円の価値が低くなる場合、ドル円は上昇します。ビッド(売呼値)とアスク(買呼値)
銘柄の呼値を見ると、表示されているのは1つではなく2つの価格であることに気づかれると思います。
- ビッド価格:売り手として受け取る価格です
- アスク価格: 買い手として支払う価格です
アスク価格はまた「オファー価格」とも言われます。
表示を見ると低い数値が一般的にビッド価格を指し、高い数値がアスク価格を表します。
練習問題
正解
不正解
購入のため、アスク価格の1.23554が適用されます。スプレッド
では、なぜ買い手と売り手で価格が違うのでしょう?
資産の価値について買い手と売り手は異なる見方をすることから、ビッド価格とアスク価格に差異が生じます。
- ビッド価格は、買い手が買いたいとする価格の中で最も高い価格をいいます。
- アスク価格は、売り手が売りたいとする価格の中で最も低い価格をいいます。
この2つの価格の差は「スプレッド」と呼ばれます。「ビッド・アスク・スプレッド」もしくは「ビッド・オファー・スプレッド」とも言われます。
スプレッドにはブローカーの売買手数料も含まれます。ブローカーは、クライアントにビッド価格は基本価格より若干低めに、アスク価格は若干高めに提示し、その差額でコストを賄います。
まとめ
- 供給(売り手)と需要(買い手)のバランスが、金融市場の価格を動かす力になります。
- ビッド価格は、売り手が受け取る価格をいい、アスク価格は、買い手が支払う価格になります。
- ビッド価格とアスク価格の差はスプレッドと呼ばれ、資産の価値について買い手と売り手は異なる見方をすることから生じます。
レッスン完了