トレード心理と心構え
取引で犯しやすいミス:3
損切りをしない
計画どおりに進まず、ポジションに損失が生じたまま清算しなければならない場合があります。厳しい状況を乗り越えて最終的には利益を出すケースもありますが、事態がさらに悪化する前に手仕舞いすることが最善の方策となる場合もあります。
損失が出ている取引を続けるべきか、終えるべきか。あなたはどのように判断しますか?
練習問題
・リチャードは直感を信じるタイプで、FTSEはすぐに上昇に転じると考えています。相場の動きを見ながら素早く決定を下すことを信条にしており、ストップロスは設定していません。FTSEの損失を腹立たしく思っていますが、自信をもって対処すればすべてうまく行くと考えています。
・一方ジャックは、規律を重視する取引を行っています。戦略を定めた取引計画を策定し、計画に従って取引を清算すべきか否かを判断します。取引日記も付け、以前の決定を振り返るようにしています。損失が一定の水準に達した時、取引が自動的に清算されるストップロス注文を出しています。
2人のトレーダーのうち、どちらがFTSE取引の清算について賢い選択をするでしょうか?
正解
不正解
取引では直感も大切ですが、一般的に専門家の間では、一貫して成功を収めるためには、秩序のある戦略的なアプローチがカギになると考えられています。経験が少ないトレーダーにおいてはなおさらです。同じ取引でも何が正しい決定なのかは人により異なりますが、ツールを利用することで客観的な判断が可能になり、最終的な成果がより満足の行くものになるような選択を行えるようになります。銘柄をよく調査せずに取引する
リスク分散として複数の銘柄に投資し、複数の銘柄でポートフォリオを構成するケースがあります。リスク分散は重要で有効な取引戦略ですが、トレーダーが犯しがちな失敗として、それぞれの銘柄の特徴を調べずに分散投資する場合があります。複数の銘柄を取引する際は、各銘柄の性質を知り、分析を行い取引することが重要です。
練習問題
ポートフォリオの【1】は、【2】を分散させるには理に適った方法ですが、【3】を行っていない、もしくは完全に理解していない場合、取引を実行しようとしてはいけません。正解
不正解
トレンドを見誤る
ダウジョーンズ平均株価が長期的に右肩上がりで推移していましたが、農業生産部門を除く雇用統計が予測を下回り、株価を下落させたとします。これは、下落基調になったということでしょうか?
経験が少ないトレーダーであれば、そう捉えるかもしれません。でも、実際はそうではありません。
トレンドとは、市場の長期的な方向性をいいます。
一般的にトレンドは、個々の政治や経済の動きではなく、マクロ経済の影響により決まります。ここでは、ダウジョーンズ平均株価は当初のボラティリティが収まった段階で上昇基調に転じています。
時として、売りと買いのトレーダーが同じくらいの数存在する場合、フラットな値動きが生じます。これはサイドウェイトレンドと呼ばれますが、注意してください -一気の上昇もしくは下落基調に入る前の「調整」局面である場合もあります。
マーケットの分析には多くのツールが存在し、正しく利用すれば価値あるものになります。短期的な影響と長期的な影響は同一ではありませんので、それらは注意深く区別してください。
まとめ
- 相場が不利な方向に展開しているような場合には、規律正しく取引を清算し損失を抑えます。
- 幅広い資産をバランスよく保有し、分散し過ぎないように注意しましょう。
- 長期トレンドと短期トレンドもしくは「サイドウェイトレンド」の違いを忘れないでください。