トレード心理と心構え
感情のコントロール:1
今まで金融市場や 金融商品、取引テクニック、役立つテクニカル分析など様々なことを勉強してきました。しかし、それらをどんなに有効に活用しても、取引を成功できるとは限りません。もう1つ重要な要素があります。それはあなたの感情をコントロールして冷静に取引することです。
どんなに強い意志があろうと、皆さんは人間ですから感情があります。当然、そうした感情がトレーダーとしての考え方および行動に影響をもたらします。
取引が順調にいっているときは、幸福感に浸り興奮し夢中になりますが、一方でうまくいかない場合には気が滅入ってしまうこともあります。取引のそれぞれの地点で気持ちがどのように変化するかを予め自分で 予想して理解しましょう。そして、それはあくまで感情であるため、取引とは別に考え、取引にその感情を入れ込まないよう努めましょう。なぜなら、感情的になってその勢いで取引をすると、取引プランにそぐわないため、失敗するからです。
以下では取引の際にコントロールしなければならない気持ちについて説明します。
不安と疑念
取引は慎重かつ熟慮 して行うことが重要ですが、逆に心配し過ぎはよくありません。
心配な方は、ライブ口座で取引する前に、デモ口座で仮想資金を使ってデモトレードをし、取引の技術を磨いてからライブ口座で取引するのもよいでしょう。
今までデモ口座で仮想資金でトレードをしていた人がライブ口座で取引をすることは、まるで飛行機からパラシュートで飛び降りる感じかもしれません。理論を学び十分に訓練も積んでいるのに、実際に 飛び降りるとなると勇気がいります。
しかし、 それはデモトレードで丹念に取引を繰り返し、コツをつかみ、学習することで払拭できる不安です。以下のように不安を多少解消する方法はあります。
- デモ口座を 作成して、本番環境で行いたい取引と同じ取引を行う。
- デモ環境での取引で成功した戦略と同じ戦略を適用する
- 取引計画を守る
- 自信がつくまでは、少量から始める
- ストップロス注文など、リスク管理ツールを利用する
理に適った取引を実行し、既に身につけた技術や知識を生かし、ポジションも適量に抑えていれば、成功が期待できると言えます。当然誰しもミスを犯しますが、慎重にリスクを管理すれば損失を最小限に抑えることができます。
損失が生じる恐怖
恐怖を覚えるもう1つの瞬間は、ポジションが不利な方向に動きはじめ損失が膨らむときです。
例
分析でこれから上昇すると判断されることからユーロ/米ドルを買ったとします。リスクを検討しストップロス注文を出しておきます。
しかし、時間が経過するにつれ通貨ペアは弱含みとなります。ストップ値段には至りませんが、予測した上昇基調は怪しくなってきています。不安に感じ始めます。ここで清算して損失を抑えるべきか、ストップ値段近くまで待つべきか迷い始めます。
アクションを起こす前にこれらのことを考えてみましょう。
- 当初の分析に欠陥があったのか?
- 取引を開始してから、市況に変化が生じているのか?
- 誤った水準でストップを出してしまったのか?
まとめ
- 精神状態は、取引の最終利益に著しい影響をもたらします。気持ちをどのようにしたらコントロールできるかを学ぶことは重要です。
- 疑念や恐怖で委縮しないようにすることが大切です。相場は常に激しく動いており、一瞬の躊躇が好機を逃す結果になりかねません。
- 計画を守り、数量も小さく抑え、リスク管理ツールを駆使することで、取引の決定に安心感と自信を得ることができます。