金融市場と金融商品
なぜ金融市場で取引をするのか?
なぜ金融市場で取引をするのか?
手持ちの現金すべてをマットレスの下に隠して、1年が経過してしまったことを考えてみます。マットレスの下に隠した現金が増えることはなく、現金はそのままです。
しかし生活費などの物価がその間に上昇すると、その価値は実質的に目減りすることになります。
次に、その資金を株式やコモディティといった金融商品の購入に回すことを考えてみます。現金を眠らせておく場合と比べて、株式やコモディティの価値が増加するにつれて、その価値も増加することになります。もちろん、株式やコモディティには、その価値が減少する可能性は常にありますが。
金融市場で取引するということは、リスクを取りリターンを得る、そしてそのために最適な資産を選択する、ということに他なりません。今から、道理にかなった賢い金融取引を学びます。単に銀行に預けたりタンス預金をしたりするより、より大きなリターンを得ることができるようになります。
投資とトレーディングの違い
このような、金融商品を購入して、それを何ヶ月、何年と保有する形態の金融取引を、皆さんはすでに何らかの形で、もしかしたら受動的に行っているのではないでしょうか。例えば、年金に加入するということは、それは退職するときに掛金以上の年金が貰えるとの期待で稼いだ給料の一部を投資することです。
年金運用機関は、運用手数料を受け取って皆さんからの掛金を運用します。大抵の場合、どの金融商品に投資するかを指図できる仕組みになっています。下記のチャートから、今ほんの少しの簡単な決定を行うことで、将来、非常に大きな効果を期待できるということが分かります。
チャートを見ると、1986年にタンス預金した£100は、2014年にはインフレーション等の影響でその価値が£38に目減りしていることが分かります。しかし仮に£100を英国の株式市場に投資していたら、約£1,120を受け取ることになっていたかもしれません。
長期的な投資だけが金融市場に参加する方法ではありません。投機と呼ばれるアクティブトレーディングも存在します。
投資家は通常、資産の長期的価値に着目し、優れたパフォーマンスを提供するポートフォリオを組み立てようとします。一方、アクティブトレーダーは、短期的な値動きに着目します。その中には、日に何百という売買を実行する人もいます。
長期運用を見据えて年に数回の取引しか行わないという選択もあれば、ほんの僅かな値動きが好機につながると考えることもできます。性格や、取引に割く時間などを基に、個人が自由に判断することができます。
このことについては「計画及びリスク管理」のコースで詳しく見ていきます。現時点では、売買には多くの方法があり、様々な種類のトレーダーが存在するということを理解することが重要です。
どの金融商品を売買するかによってトレーダーは大別されます。次のレッスンでは、どのような種類の金融商品があるのか見ていきます。
まとめ
- 金融取引は資金を増やす好機を提供します。その一方、お金を失う可能性も常に存在します。
- 投資は、資産の長期的な価値に着目します。
- アクティブトレーディングは、短期の値動きに着目します。