テクニカル分析
基本的なチャートパターン – パート1
相場は、強いサポート・レジスタンスに出会うと、跳ね返されて反転するか突き抜けて行く(もちろん、ダマシの場合は別として)ことをすでに学びました。もし、いつ何が起きるかを前もって知ることができれば、誰でも億万長者になれます。
しかし、残念ながら、相場は予測不可能なものであり、前もって何が起きるかを知ることはできません。一方、相場には様々なパターンが繰り返し現れるという特徴があり、テクニカル分析では、そうしたパターンを見つけていきます。パターンの種類を知り、さらにパターンの発生を初期段階で見極める方法を理解すれば、相場の動きを予測する手掛かりを得ることができます。
ただし、チャートパターンは相場を完全に予測するものではない、ということは覚えておかなければなりません。あくまでも相場予測の参考として使用してください。
ダブルトップ・ボトム
ダブルトップ・ボトムは上昇トレンドが下落トレンドに変わるということを意味します。つまりトレンドの反転を意味します。
ダブルトップは、相場が大きく上昇した後に一旦下落し、再び前回上昇した水準近くまで上昇し、下落に転じたときに形成されるチャートパターンで、山が2つあるチャートの形をしています。2つの山の間にできた谷の水準を「ネックライン」と呼びます。ネックラインをブレイクすることでダブルトップが完成します。
ダブルトップパターンでは、2番目の高値が1番目の高値を超えません。これは、それまでの上昇トレンドが終了し、トレンドが反転する可能性を示唆しています。ダブルトップを利用して取引するのであれば、ネックラインがブレイクされ、パターンの完成を確認してから(特に、後ほど解説するトリプルトップなどの別のパターンを形成中の可能性を避けるため)、ショートでエントリーすることが考えられます。
ダブルトップなどのパターンを利用した取引のメリットは、パターンが目標価格を示してくれることです。ダブルトップの場合、ネックラインをブレイク後の下落幅の目安は、ダブルトップの高値とその間の安値との値幅(上記チャート上の青色で表示された部分)と同程度とされています。
ダブルボトムは、ダブルトップの反対で、それまで続いた下降トレンドが終わり、上昇トレンドに転じることを意味します。
トリプルトップ・ボトム
トリプルトップ・ボトムは、ダブルトップ・ボトムと同様の下落から上昇に転じるターンを意味します。レジスタンス・サポート水準で3回跳ね返された後、トレンドが反転していきます。
練習問題
正解
不正解
トリプルトップでは、レジスタンス水準に3回跳ね返された後、トレンドが反転します。練習問題
正解
不正解
トリプルボトムでは、サポート水準に3回跳ね返された後、トレンドが反転します。ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーもトレンドの反転を示唆するパターンです。トリプルトップと形状は似ていますが、1番目の山(ショルダー)を形成した後、2番目の山(ヘッド)で高値を更新するものの、3番目の山(ショルダー)では前回の高値(ヘッド)を更新できずにトレンド反転となります。実際のチャートで見ると、以下のようになります。 つまり、ヘッドアンドショルダーはトレンドが下落トレンドになることを意味します。
ヘッドの両側にある2つの谷を結んだラインがネックラインです。右下がりのネックラインは、より強い反転のサインとなります。目標水準は、ネックラインをブレイクしたポイントから、ヘッドとネックラインの値幅分だけ下落したところになります。
ただし、注意すべきは、ネックラインをブレイクすることが、パターン完成の条件になることです。ネックラインをブレイクして初めて、目標水準が機能します。
逆ヘッドアンドショルダーは、ヘッドアンドショルダーを逆にしたパターンです。つまり、価格がヘッドで底値を打ち、上昇に転じることを示唆します。
まとめ
- チャートパターンは、繰り返し現れる傾向があり、相場の動きを予測する手掛かりになります。
- 反転パターンは、それまで続いたトレンドが反転することを示唆しています。 上昇トレンドだった場合は下落トレンドに、下落トレンドだった場合は上昇トレンドになります。
- 継続パターンは、それまで続いたトレンドが継続することを示唆しています。
- 以下のチャートパターンは、相場が下方にブレイクアウトすることを示唆します。
- ダブルトップ
- トリプルトップ
- ヘッドアンドショルダー
- 以下のチャートパターンは、相場が上方にブレイクアウトすることを示唆します。
- ダブルボトム
- トリプルボトム
- 逆ヘッドアンドショルダー