テクニカル分析
サポートとレジスタンス
サポートとレジスタンスは、テクニカル分析の重要なコンセプトです。これを理解することで、多くの有効な取引戦略を立てることができます。簡単に言うと、サポートとレジスタンスは、市場の変動幅を制限するガラスの床と天井のようなものです。
こうした水準が生じる背景には、買い手(需要)と売り手(供給)のバランスの変化があります。売り手よりも買い手が多い(需要が供給を上回る)場合には、市場価格は上昇します。逆に、買い手よりも売り手が多い(供給が需要を上回る)場合には、市場価格は下落します。
サポートとレジスタンスは、需給の転換点として現れます。サポート水準は、下落価格が下げ止まりして「再び上昇に転じる」と考えられる下値支持線のことです。この水準では、市場が売り手市場から買い手市場に移行します。
レジスタンス水準はサポート水準とは逆に、上昇価格が上げ止まりして「再び下落に転じる」と考えられる上値抵抗線のことです。この水準では、市場のバランスが買い手から売り手へシフトして、上昇していた価格は押し下げられます。
練習問題
正解
不正解
レジスタンスラインとは上値抵抗線を意味し、サポートラインは下値支持線を意味します。サポートとレジスタンスの見つけ方
チャート上で、サポートやレジスタンスのラインは、比較的簡単に引くことができます。相場がその水準に達すると反転し、抜け切ることができていない水準を見つければよいのです。そして、相場が跳ね返される回数が多いほど、強いサポート水準、強いレジスタンス水準と言います。強いサポート水準、強いレジスタンス水準は、心理的な壁になりやすく、相場がその水準に達すると、多くのトレーダーは売買をします。その結果、サポート、レジスタンスは、さらに強くなります。
なお、強いサポート水準、強いレジスタンス水準が、厳密に単一の数値となることはありません。ある決まった価格に達するたびに、相場が反転するようなことは、現実にはあり得ないからです。そのため、サポートやレジスタンスは、水準というよりもゾーンと考えた方が実用的でしょう。
上記のチャートを見てわかるように、サポートラインまたはレジスタンスラインを突き抜けたり、手前で反転したりするケースがあります。一見強そうに見えるサポートラインまたはレジスタンスラインでも同様です。
相場が、サポートまたはレジスタンスを一時的にタッチしても、または、突き抜けても、すぐに反転する状況を「その水準を試している」と言います。
まとめ
- サポートとレジスタンスは、市場の変動幅を制限するガラスの床と天井のようなものです。
- サポートとレジスタンスは、厳密な単一の数値ではなく、価格ゾーンを指します。
- 市場価格が、サポートまたはレジスタンスに達しても、跳ね返される状況を「その水準を試している」と言います。