テクニカル分析
ローソク足パターン
テクニカル分析では、チャートサインから今後のトレンドを予測します。相場は必ずしもサイン通りに動くものではありません。どんなブレイクアウトにも、ダマシの可能性があります。しかし、多くのシグナル(サイン)が同一方向への相場の動きを示していれば、その動きに対する確信度が高まります。
ローソク足は、買い圧力と売り圧力を示す分かりやすいサインであるため、将来の予測に有益です。どのような種類があるか見ていきましょう。
大陽線(陽の寄引坊主)
実体が長く、ヒゲは短いか無い。買い圧力が強く、始値から終値にかけて大きく上昇したことを示す。
大陰線(陰の丸坊主)
大陽線とは反対に、売り圧力が強く、始値から終値にかけて大きく下落したことを示す。
コマ
実体が短く、上下にほぼ同じ長さのヒゲ。相場に方向感が無い状態のサイン。上昇・下落相場後のレンジ相場、又は、相場の天井や大底付近で現れやすい。
寄引同時線(十字線)
始値と終値が同じかほぼ同じで実体がほとんど無い。ヒゲは、上下両方又はいずれか一方にあり、長さは関係無い。これも相場に方向感が無い状態のサイン。
レンジ相場、又は、相場の天井や大底付近で現れやすい。それまでの相場の勢いが弱まり、相場の転換点となる可能性がある。
ハンマー(カラカサ)
下落相場でこの形が現れた時は、相場が上昇に転じるサイン。
下ヒゲが実体の2倍以上あり、上ヒゲがほとんど無いか全く無い時は、特に強いシグナルとなる。陽線(緑)か陰線(赤)かはさほど重要では無いが、陽線の方が陰線よりも、より強気の相場となりやすい。
逆ハンマー (トンカチ)
上昇相場で現れた場合は、下降トレンドとなる。
下落相場で現れると、相場が上昇するサインとなる。ハンマーとの違いは、上ヒゲが長く下ヒゲがほとんど無いか全く無いこと。
ハンギングマン(首吊り線)
前日のローソク足に窓を開けて高く寄り付いた後に下ヒゲをつけたローソク足を指し、反転のサイン。陰線(赤)の方が、より下降トレンドとなりやすい。
流れ星
ハンギングマンと同様に、上昇トレンドで現れる下降トレンドに転換するサイン。
また、複数のローソク足の組み合わせが、チャートパターンのような、はっきりとしたパターンを形成し、相場の上昇局面または下落局面の始まりを示唆することがあります。
陽の包み線(抱き線)
陰線(赤)のローソク足の次に、それを包み込む形で長い陽線(緑)のローソク足が現れるパターン。相場が大きく上昇するサイン。
陰の包み線(抱き線)
陽線(緑)のローソク足の次に、それを包み込む形で長い陰線(赤)のローソク足が現れるパターン。相場が大きく下落するサイン。
毛抜き底
下降トレンドで現れる上昇トレンドへの反転パターン。2本の並んだローソク足の安値がほぼ同じ価格にある形。左側が陰線(赤)で、右側が陽線(緑)。
毛抜き天井
毛抜き底の反対で、上昇トレンドが反転するサイン。2本のローソク足の高値が揃った形。左側が陽線(緑)で、右側が陰線(赤)。
明けの明星
3本のローソク足が並んだパターンで、下降トレンドが反転するサイン。1番目は陰線(赤)、2番目はコマまたは同時線、3番目は陽線(白)。以前は、1番目の陰線(赤)の下方に窓(ギャップ)を開けて、2番目のコマまたは同時線が出現し、上方に窓(ギャップ)を開けて、3番目の陽線を形成するパターンを言いましたが、今では24時間取引のため、そうした窓ができるのは稀であり、窓の無いパターンも含めるようになっています。
宵の明星
明けの明星の反対で、上昇トレンドが反転し下降トレンドになるサイン。陽線(緑)で始まり、陰線(赤)で終わる。
赤三兵
下降トレンドから、相当強い上昇トレンドへの転換サイン。実体が長くヒゲの短い陽線(緑)が3本並んだ状態。
黒三兵(三羽烏)
赤三兵の反対で、上昇トレンドから下降トレンドへの転換サイン。実体が長くヒゲの短い陰線(赤)が3本並んだ状態。
練習問題
正解
不正解
陽線(緑)のローソク足の次に、それを包み込む形で長い陰線(赤)のローソク足が現れているので、「陰の包み線」です。練習問題
正解
不正解
こちらのパターンは赤三兵です。練習問題
正解
不正解
こちらのパターンは宵の明星です。まとめ
ローソク足のパターンとして、以下が挙げられます。
- 上昇サイン
- 大陽線(陽の寄引坊主)、ハンマー(カラカサ)、陽の包み線(抱き線)、毛抜き底、赤三兵
- 下落サイン
- 大陰線(陰の丸坊主)、流れ星、陰の包み線(抱き線)、毛抜き天井、宵の明星、黒三兵(三羽烏)
- 相場により陽線・陰線となり反転のサイン
- 逆ハンマー (トンカチ)、ハンギングマン(首吊り線)
- 方向感がない、もしくは天井や大底で出現するサイン
- コマ、寄引同時線(十字線)