商品取引の仕組みと取引方法
原油や金、小麦などの商品(コモディティ)の取引は、どのように行われているのでしょうか。商品をCFDで取引する方法や仕組みについて解説します。
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商品(コモディティ)とは?
コモディティとは、石油、砂糖、貴金属など、人間の活動に使用するために集められ、加工された自然界に存在する材料や商品のことです。コモディティは、食料、エネルギー、衣類などを生産するために必要な原材料であり、経済の基盤となっています。
コモディティは大量生産され、質と量が標準化されているため、誰が作っても同じ価格になるとみなされています。経済学では、このことを「代替可能である」といいますが、これは取引所において大量のコモディティが比較的迅速かつ容易に取引可能であることを意味します。トレーダー自身がコモディティを検品したり、生産地や生産方法を確認したりしなくても、一定の価値がある資産を売買することができるということです。
コモディティの有名な取引所には、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)や、英国のロンドン・金属取引所(LME)などがあります。
商品取引の仕組み
直物市場
直物市場では、金融資産(この場合は商品)を現金と交換にその場ですぐに受け渡しをする市場です。コモディティの即時受渡しを必要とする場合は、直物市場で取引します。
例えば、工業用パイプを製造している企業A社が、大量の銅製パイプの発注を受けたとします。もしA社に十分な銅の在庫がなかった場合、直物市場に参加して銅を購入することで銅を確保することができます。
また、採掘企業ができるだけ早く売却したい銅の在庫を抱えている場合は、直物市場に参加することで銅を売却することができます。
コモディティは取引量が膨大であり、また世界的な規模で取引が行われていることから、トレーダーが毎回検品を行わなくても迅速な売買ができるように、直物市場では標準化が図られています。
先物市場
先物市場では、商品、通貨、株価指数などの先物取引が行われます。先物取引とは、売り手と買い手が現時点で合意した金額で、将来の特定の期日に一定量の資産(この場合は商品)を受け渡すことを約束する取引です。
対象となる資産は、取引所で物理的に取引されるわけではありません。その代わり、取引参加者は先物契約を行います。先物契約は期日前に反対売買して決済することができるため、トレーダーは実物を所有することなく、コモディティ価格を用いて投機取引を行うことができます。
例えば、「畜牛の価格に対して取引を行いたいが、生きた牛の群れが実際に引き渡されるようでは困る……」といった場合などに先物契約が用いられます。
先物契約は、コモディティの現物を後日交換したい個人や企業によって結ばれることもありますが、大半は投機やヘッジ目的です。
なお、先物契約の価格は、同じコモディティを直物市場で同量売買する場合とは異なることに留意してください。売り手はコモディティの保管費や買い手への輸送費など、将来のリスクや費用を考慮する必要があるからです。したがって、先物契約は直物価格ではなく、先物価格により価格が決まります。
商品取引を始めるには
次の7つの手順に沿って、IG証券で商品の取引を始めましょう!
取引したい商品を選ぶ
約70の商品銘柄から、どれを取引するか選びましょう。商品は、大きくハードコモディティと、ソフトコモディティに分けられます。
1. ハードコモディティ
ハードコモディティには、金・銀などの貴金属、原油や天然ガスなどのエネルギー資源があります。
2.ソフトコモディティ
ソフトコモディティには、コーヒー豆・小麦・材木のような農産物が該当します。農産物は季節的な生育サイクル、天候や腐敗といったリスクにさらされているため、こうしたリスクの影響により突然価格が変動することがあります。ソフトコモディティは短期の価格変動性が非常に大きい傾向にあるといわれています。
また、「ハードコモディティ」「ソフトコモディティ」という分類方法の他に、商品の用途や生産工程に応じてより具体的なカテゴリーに分けられることもあります。例えば次のようなものがあります。
- エネルギー:原油・ガスなどの資源
- 金属:金・銀・銅・パラジウム・プラチナなどの金属類
- 農産物:砂糖やコーヒー豆といった、人間が消費する目的で作られた農作物(衣服や建材の材料になるようなものも含まれます)
- 畜産物、肉: 食用のために飼育された動物や、革・ゼラチンなどの製品
IG証券で取引可能な商品銘柄を検索
興味のある銘柄名をこちらから検索すると、チャートなどの情報をご覧いただけます。
商品価格の変動要因について理解する
商品の価格は、需要と供給の関係で動いています。商品の需要と供給のバランスに影響を与える要因は多岐にわたりますが、代表的なものは次の通りです。
代替技術の登場
代替技術や商品の登場により、旧来のコモディティに対する需要が減少することがあります。例えば、再生可能エネルギーの台頭により、石油・ガスへの投資量は大幅に減少しました。また、新しい企業の台頭も市場に影響を与える可能性があります。特に、より効率的なサプライチェーンや迅速な生産ラインを持つ企業は、生産・流通コストを下げることにより業績を上げ、投資先として魅力的な存在となるでしょう。
政治
輸出入に影響を与えるような政治的な出来事や発表があった際には、商品価格も影響を受けます。例えば、輸入関税の引き上げは商品価格を上昇させる可能性があります。
経済状態
経済が低迷すると、特に建築や輸送に関わる商品の需要が低下します。一方、好景気であれば需要が高まり、価格の上昇につながる可能性があります。
季節
農産物は、生産や収穫に影響を与える季節的なサイクルに特に依存しています。価格は、収穫予測がよいときには上昇し、収穫後、市場に製品があふれると下落する傾向があります。
天候
異常気象や自然災害は、天然素材の生産や輸送に影響を与えます。例えば、気温が著しく低下すると、地面が凍ってしまったり、商品を危険にさらしたりする可能性があります。サプライチェーンに影響を与え、生産量が減少すると、市場価格の上昇の原因となります。
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ノックアウト・オプションで商品を取引する
ノックアウト・オプションでは、ノックアウト価格を選択することで、お客さま自身でオプション料を決定することができます。
ノックアウト・オプションについて詳しくはこちらからご覧ください。
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バイナリーオプションで商品を取引する
バイナリーオプションは、二者択一の取引方法です。一定期間の間に、選択した商品銘柄の価格が上昇するか、下落するかのどちらかを選択します。
バイナリーオプションについて詳しくはこちらからご覧ください。
取引口座を開設する
IG証券で商品を取引するには、まず口座を開設しましょう。お申し込みはオンラインで、3分ほどで完了します。口座開設は無料です。
法人口座
法人名義を有するお客さまは、法人口座もご利用いただけます。
法人口座では、FXは最大100倍、CFDのスポット金は200倍※のレバレッジでのお取り引きが可能となっています。
※2024年5月22日現在
法人口座のお申し込み・詳細はこちらをご覧ください。
無料デモ口座
まず取引の練習から始めたい! という方は、無料のデモ口座をご利用いただけます。
商品取引の仕組みについて理解する
商品取引は、他の市場と同じように、買い手と売り手が商品を交換するという仕組みで成り立っています。唯一の違いは、商品は現在の価格、将来の価格両方で売買可能であることです。
コモディティを売買するための手順は、スポット・先物のどちらを取引するかにより異なります。また、商品CFDではなく、商品関連の株式やETFを利用する場合にもそれぞれ手順が異なります。
- 商品先物取引
- 商品スポット取引
- 商品関連株 コモディティETF
商品スポット取引
先物価格は、将来の期限が切れたときに市場が商品にどれだけの価値があると考えているかを示すものですが、スポット価格は、その商品が今、つまり「その場」でどれだけの価値があるかを示すものです。
IG証券の「スポット」価格は、対象となる市場で最も近い2つの先物に基づいています。この価格は原市場を反映していますが、固定された期限がないため、初心者にも経験豊富なトレーダーにも適しています。
IG証券の口座開設が完了したら、まずはログインしましょう。
- 取引したい商品市場を検索します(例:「金」)。
- 右側のパネルで「スポット」を選択します。
- ロット数を選び、注文を確定します。
商品関連銘柄、商品ETFの取引
CFDで株式やETFを取引する場合、市場価格に対してロングかショートかを選択することができます。取引を始めるためのステップは次の通りです。
- IG証券の口座開設が完了したら、まずはログインします。
- ご希望の銘柄やETFを検索します。
- ロット数を選び、注文を確定します。
商品取引のタイミングを見極める
商品取引はどのタイミングで始めればいいのでしょうか。チャンスを見極めるには、ニュースなどから情報収集をし、取引を検討している銘柄の価格変動を細かくチェックするのが大切です。
また、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を用いて、どれくらいの価格水準になったら取引を始めるべきか、ご自身のターゲットプライスを割り出しておくのものよいでしょう。
IG証券の提供する、次のようなツールも取引にご活用ください。
専門家による情報
IGのアナリスト、ファイナンシャルライターが日々関連情報や市場ニュースを発信しています
テクニカル指標
MACDやボリンジャーバンドなどのプラットフォーム上のツールを使って、価格のトレンドを見つけましょう
アラート機能
アラート設定も楽々。気になる銘柄が指定レートに達した時のアラートを設定して、レートをウォッチ
取引開始
商品取引の仕組みを理解し、チャンスを見つけたら、いよいよ商品取引を始めましょう。
選択した商品銘柄が値上がりすると予想するか、値下がりすると予想するかに応じて、買うか売るかを選択します。次に、支払う証拠金を決定するためにポジションサイズを選びましょう。
また、リスクをどのように軽減するかを事前に考えることも大切です。IG証券では、指値・逆指値注文など、リスク管理のためのさまざまなソリューションを提供しています。ご自身のリスク許容度に合わせてご選択ください。
商品銘柄の注文が完了したら、市場の動きを確認しながら決済するタイミングを決めましょう。
無料口座開設はこちらから
商品CFD以外で商品に投資する方法
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商品関連株
原油、金といった商品の採掘、抽出などの工程に関わる企業の株式を売買することで、商品市場へ間接的に投資を行うことができます。
商品と株式の関係は変動しやすいため、事前に関連性をよく調べることが大切です。商品価格の中には関連株式と反対の動きをするものもあるため、ポートフォリオをヘッジする手段としても人気があります。例えば、原油のサプライチェーンに問題が発生した場合、短期的には原油を扱う会社が打撃を受ける可能性が高いですが、需要が供給を上回ることで原油の価格は上昇します。
その他の商品価格は、関連株式と相関して動きます。例えば、金の価格が上昇した場合、一般的には鉱山関連会社の価格も上昇します。
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商品ETF (コモディティETF)
ETF(上場投資信託)は、商品や株式などのアセットを保有する投資商品です。ETFの中には、投資対象となる現物資産を保有するものがあります。
ETFの取引では、一つの銘柄を通してさまざまな商品や商品関連株へ投資することができる点がメリットであるといえます。
よくある質問
どのような商品をトレードすることができますか。
IG証券では、原油、コーヒー豆、天然ガス、金、小麦、綿など、約70の商品銘柄を取り扱っております。商品CFDのほか、商品関連の株やETFもお選びいただけます。
商品のトレードは、どうやって始めればよいのですか。
まず、取引したい商品銘柄を選択します。次に、短期で保有したいか、長期的に保有したいかを決めて取引スタイルを選びます。実際に取引を始めるには、商品を取り扱っている証券会社に口座を開設することが必要です。
または、コモディティETFや、コモディティ関連株を取引するという選択肢もあります。