OPEC総会による値動きを利用して取引を始めよう
商品(コモディティ)のCFD取引
買いからだけでなく、売りからも取引を開始することができます
さまざまな市場で機会を探索
米国ブレント原油、灯油、天然ガス、無鉛ガソリンといった関連の深い銘柄の売買取引ができます
効果的なリスク管理による対策
逆指値注文、指値注文、アラートなど、いろいろな機能で資金を守るリスク管理ができます
OPEC総会とは?
OPEC総会は年2回開催され、12のOPEC加盟国(2024年1月現在)それぞれの石油生産割当量を決定します。
この割り当ては石油の世界的供給、ひいては原油価格に影響を及ぼすため、トレーダーにとって重要な情報です。
OPEC総会がトレーダーの行動に与える影響
OPEC総会がトレーダーにとって重要な理由は、世界の原油価格に大きく影響するからです。この会議では、OPEC加盟国および投票権を持たないオブザーバー産油国の生産割当量が決定されます。この割り当ては、石油の世界的な供給に強く影響し、価格にも影響を及ぼす可能性があります。なぜなら、OPEC加盟国は原油確認埋蔵量の79.5%(1兆2,435億2,000万バレル)を管理しており、世界の石油のおよそ39.69%と大きな割合を供給しているからです。(2022年末時点、『OPEC 年次統計報告書 2023』より)1
OPEC総会が決定する割当量は、天然ガスや灯油など他のエネルギー市場の需要にも影響を与える可能性があります。そのため、直接的に原油の取引を行わないトレーダーにとっても、OPEC総会は重要なイベントとなっています。
※上記リアルタイムレートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。
原油関連の最新ニュース
OPECが原油価格を動かす仕組み
OPECは産油国側の利益の保護と拡大を目的に、供給量の調整を行って原油価格を管理します。加盟国が石油価格を上げたい場合、供給を制限しようと生産割当量を削減することがあります。また、原油価格を下げたい場合は、割当量を引き上げて供給を増やします。需要が常に一定であると仮定すれば、原油価格は意図した方向へ動くと考えられます。
ただし、原油価格を管理しようとするOPECの意図に関係なく、世界的な危機によって短期的に原油価格が急騰することがあります。
たとえば、2019年9月にサウジアラビアの石油処理施設を襲ったアブカイク-フライス襲撃事件です。この影響で、サウジアラビアの石油生産量は2019年10月初めには半分近くまで下がり、世界的な原油価格の上昇が起こりました。
そのため、原油価格の予想を始める前は直近のOPECの割当量に加えて、その他の経済指標やニュースも考慮すると良いでしょう。
OPEC加盟国が割当量に合意する理由
OPECの公式目標は、「加盟国の石油政策を調整・統一し、石油市場の安定を確かなものにする。消費者へ効率的で経済的な定期供給を行う。生産者の安定した収入と石油産業の投資家へ投資に見合った利益を確保する」ことです。
しかし、OPECは価格を固定して利益を最大化し、加盟国間の競争を抑えるといった動きをしていることも押さえておく必要があります。供給を制限することで不当な利益を得るほか、意図的に余剰を作り出して価格を引き下げ、米国のシェールオイル生産者のような競合を破産させようとする等の反競争行為がみられます。そのため、OPECはしばしば非難されています。
場合によっては、政治が絡むこともあります。たとえば、1973年には、ヨム・キプール戦争(第四次中東戦争)でイスラエルを支援していると思われる国々に対し、OPEC加盟国は石油の供給を制限することを決議しました。これにより、原油価格が高騰したという歴史があります。
一方で、加盟国が新たな生産量について全会一致で合意できない場合、OPEC総会は行き詰まって閉幕することがあります。自国の利益のみを考える場合、加盟国は自国の生産量を最大にしながら他国の生産量を制限しようするため、全会一致で合意に達するのは容易いことではありません。
この問題は時々、OPECとは直接関係のない国家間の政治的緊張によっても悪化する場合があります。また、もしどこかの国が事前に合意した割当量を超えて生産するようなことがあれば、価格が下落してグループ全体の利益が低下する可能性があるため、加盟国間で摩擦が生じることもあります。
OPEC総会の形式
定例総会は年2回、ウィーンにあるOPEC本部で開催されます。通常は6カ月間隔で開催され、年2回の定例総会以外に開かれる臨時総会は、特例の事案があるときに開催されます。
決議事項は各総会当日に記者会見を通じて発表され、ほとんどの決議が30日後には有効になります(別の日に合意となった場合や、施行前に加盟国メンバーによって決議が拒否された場合を除きます)。
また、OPECでは月次および年次の石油市場報告書と、石油の長期的な将来の展望を評価する年次報告書を発行しています。
OPECカレンダー
OPEC総会・会合の開催予定は次の通りです。
イベント | 日付 | |
OPECプラス産油国閣僚級会合 | 2024年6月1日 |
OPECの加盟国は?
OPECが1960年に設立されたとき、加入国はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国でした。その後、2024年1月時点で12カ国が加盟するまでに成長しました。
各加盟国は総会に1名以上の代表団を送ることになっていますが、定足数を満たすには、4分の3 以上の出席が必要です。一国の代表団が複数人で構成されている場合、首席代表を任命する必要がありますが、大抵はその国の石油またはエネルギー担当大臣が任命されます。
各加盟国は1票の投票権を持ち、いかなる政策の変更も全会一致の議決が必要です。加盟国以外もオブザーバーとして総会に出席することができますが、投票権はありません。
ロシア、メキシコ、カザフスタンといった他の主要生産国も、石油生産量の水準を協調するために、議決権を持たないオブザーバーとしてOPEC総会に出席することがあります。これらの国々も、特にロシアは、OPEC総会の結果に影響を与える可能性があります。
加盟国 | 加盟年 |
サウジアラビア | 1960 |
イラン | 1960 |
イラク | 1960 |
ベネズエラ | 1960 |
クウェート | 1960 |
リビア | 1962 |
アラブ首長国連邦(UAE) | 1967 |
アルジェリア | 1969 |
ナイジェリア | 1971 |
ガボン | 1975 |
赤道ギニア | 2017 |
コンゴ共和国 | 2018 |
※2024年1月現在
こちらのコンテンツもおすすめです
原油をCFDで取引する方法についてはこちら
商品(コモディティ)取引に関する情報はこちらから
IG証券では世界12,000銘柄以上の株式トレードをCFDで提供しております。 IT、金融、自動車、ファッション、製薬、食品等、各業種を代表する世界の優良企業に1株から投資できます。
1 OPEC、2022年 (OPEC Annual Statistical Bulletin 2023 より)