指値注文
指値注文は、リスク管理に役立つ注文方法の一つです。リミット注文と呼ばれることもあります。指値注文とその使い方について解説します。
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指値注文とは
指値注文とは、あらかじめ現在の価格よりも有利な価格を指定して行う注文方法です。通常、「現在の価格よりも安く買いたいとき」、または「現在の価格よりも高く売りたいとき」に使われます。
指定した価格に達したタイミングで、自動的に注文が執行されます。常に市場の変動をモニタリングして即座に対応することができないような場合、指値注文を使用して自動で取引を行うことができます。指値注文を行った場合、指定した価格より不利な価格で約定することはありません。
注意点
当社はカバー取引を行うためにお客さまの注文と同内容の注文をカバー先を通じて原市場に対して発注しております。原市場の取引は一般的に価格優先・時間優先の原則で成立するため、指値注文よりも成行注文が優先され、同じ価格での指値注文であれば先に発注されたものから順番に成立します。つまり、指値注文よりも成行注文の方が優先して成立するため、お客さまの指値価格に到達しても指値注文が即座に約定しない場合があるという点にご注意ください。
逆指値注文との違い
指値注文は、現在の価格よりも有利な価格を指定して行いますが、逆指値注文は現在の市場価格よりもあえて高い価格で買う / 低い価格で売る注文方法のことです。逆指値注文は、相場がトレーダーの思惑とは逆の展開となるリスクを想定した損切りの注文方法として主に用いられます。
指値注文の使い方
指値注文は、新規注文時に利用することはもちろん、保有中のポジションに対して決済注文として利用することも可能です。
1. 新規注文
「現在の価格よりも安い価格で買いたい」「現在の価格よりも高い価格で売りたい」といった場合に、あらかじめ希望する価格を指定して、予約の注文を入れておく方法です。マーケットの動きを追い続けなくても、指定した価格に到達すると自動的に注文が執行され、新しいポジションを保有することができます。
- 新規買い(ロング)の指値注文の場合、現在の価格より安い価格を指定します
- 新規売り(ショート)の指値注文の場合、現在の価格より高い価格を指定します
2. 決済注文
現在保有しているポジションに対して、希望する決済価格を指定して予約の注文を入れておく方法です。あらかじめ決まった利益を確保したい場合などにご活用いただけます。
「新規指値注文」と同様に、「現在の価格よりも高く売りたい」「現在の価格よりも安く買いたい」といった場合に使います。
- 買い(ロング)ポジションを保有している場合、現在の価格より高い価格を指定します
- 売り(ショート)ポジションを保有している場合、現在の価格より安い価格を指定します
指値注文のメリット・デメリット
指値注文のメリット
- 売買したい価格をあらかじめ指定して発注することができます。
- 価格の動きを常にチェックしていなくても、指定した価格に達したら自動で指値注文が執行されます。
- 未約定の指値注文は、自分でキャンセルするか、設定した期限が切れない限り、執行待ちの状態を維持することができます。
- 指定した価格より、不利な価格で約定することはありません。
- 非常に不安定な市場の場合、「ポジティブ・スリッページ」と呼ばれる現象につながる可能性もあります。これは、市場が設定した金額を超えて大きく動き、指値注文の期待値よりもさらに有利な価格で注文が成立することを意味します。
指値注文のデメリット
- 市場価格が指定した価格に到達しないことがあります。価格に到達しない限りは、指値注文を設定していても、ポジションを保有もしくは決済することはできません。
- 指定した価格を超えなかった場合は注文が成立しない場合があるため、利益獲得のチャンスを逃してしまったり、決済できず損失が拡大してしまったりする可能性があります。
指値注文の例
アップル株の買いポジションを200ドルで保有したいと考えているとします。現在の価格は205ドルです。そこで、価格が200ドルに下がったときに、同社の株を購入する指値注文を出しました。株価が必ず指値の価格(ここでは200ドル)に達するという保証はありません。しかし、指定した価格に達した場合には注文が執行され、200ドルでアップル株のポジションを保有することができます。
アップル株のポジションを保有したあなたは、アップルの株価が210ドルに達したときに決済することを決め、決済価格を指定する指値注文を出しました。株価が指値の価格に達した時点で保有ポジションは決済され、利益を得ることができます。
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