男子テニスの年間成績トップ8が競うイベント、ATPファイナル。11月にロンドンで開催される同大会への出場権を獲得ポイントで競う「レース・トゥ・ロンドン」で15日現在、錦織圭が9位につけている。日清食品やユニクロといった錦織のスポンサー企業は、シーズンクライマックスを飾るイベントで大きな宣伝効果を得たいところだろう。
この大会、2017年に日東電工がバークレイズに代わり4年契約でタイトルスポンサーに就任。現在は「Nitto ATPファイナル」と呼ばれる。残念ながら17年は過去3年連続出場の錦織がけがのために不在で、日本のメディアでカバーされる機会が減少。しかし、海外売上比率が全体の75%を占める日東にとって日本のメディアの注目度低下による打撃はそれほどでもなかったようだ。
錦織は12年に日清食品と所属契約を締結。当初3年間だったこの契約は20年まで延長された。契約金は不明だが10億円超とも推定されている。なお、日清は女子テニスの年間成績トップ8が競うWTAファイナルへの出場をすでに決めている大坂なおみとも所属契約を結んでいる。日清は25年までに海外売上高比率を50%に引き上げる目標を持っており、特に東南アジアでの事業強化を目指している。アジア出身の錦織にはファイナルで活躍してほしいところだ。
錦織はまた11年にユニクロとスポンサー契約を結び、16年にはこれを更新。こちらも金額は明らかにされていないが、年間10億円を超えるとみられている。一方、ユニクロは18年7月にスイス出身の男子テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラーとも10年間のグローバルブランドアンバサダー契約を結んだ。米テレビ局はフェデラーとの契約額を約340億円と報じている。
レース・トゥ・ロンドンで3位のアルゼンチンのフアンマルティン・デルポトロが右膝を骨折したと英メディアが伝えるなか、9位の錦織、そして僅差で10番につける米国のジョン・イスナーのいずれかがファイナルに出場する可能性が高まった。スペインのラファエル・ナダルやフェデラーらの上位5選手はすでに出場を確定させている。