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米国ウィークリー 2017/1/24号

トランプのアメリカ始動、市場の関心は企業業績へ!

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  • 1/20、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任した。第40代ロナルド・レーガン大統領に倣った “Make America Great Again” のスローガンのもと、就任演説では、想定通りTPPからの離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を表明し、米国第一主義を繰り返した。

    1/27にはEU離脱を進める英国とFTA(自由貿易協定)締結に向けた交渉をメイ首相とホワイトハウスで行う予定。1/31にはメキシコのペニャニエト大統領との会談で通商政策のほか、移民や国境警備の問題などについても話し合う予定である。また、カナダのトルドー首相ともNAFTAの再交渉を議題に会談を行う予定である。これまではトランプ大統領の一方的な主張により保護主義が強まるとの懸念から、マーケットでは様子見姿勢が強まっていた。しかし、今後は貿易相手国との現実的な話し合いが行われることとなり、投資家の警戒感が徐々に弱まるものと思われる。
  • 経済政策の優先事項として通商政策のほか、減税政策への着手が予想され、企業の米国回帰と減税による利益拡大への期待が高まることとなろう。市場では2016/12期4Q(10-12月)決算発表の本格化で、関心が業績動向に移ることとなる。クアルコム(QCOMキャタピラー(CATアルファベット(GOOGLインテル(INTCなどハイテクやインフラ投資関連の決算に注目したい。

    年国債利回りは、2.3%台を底に下げ止まりの兆しが見られる。イエレンFRB議長は1/18の講演で、「米経済が最大限の雇用に近く、インフレ率が我々の目標に向かっている」との見解を示した。2019年末まで政策金利のFF金利誘導目標を年2、3回のペースで引き上げるとの見通しをFRB内で概ね共有しており、長期の中立金利見通しの3%に近づくとの見方も示した。1/20現在で、3月のFOMCでの利上げ確率は31.2%だが、今後高まることが予想され長期金利も上昇するものと思われる。また、OPECと非加盟の一部産油国の主要閣僚は1/22、協調減産が期待を上回る進捗との見方を表明。WTI原油先物価格は50ドル台前半で底堅く推移。新政権のエネルギー政策には留意したいが、株式市場を含め投資家のリスクを取る動きが強まることも想定されよう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/20現在)

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■主な企業決算の予定
●1月24日(火) :アルコアデュポン、コーニング、JJベライゾンロッキード3MシーゲイトTIアリババ、サムスン電子
●25日(水):UTXボーイングATTクアルコムeベイ、ウェスタンデジタル
●26日(木):ブラックストーン、キャタピラー、フォード、アルファベットインテルスターバックスマイクロソフト、フィアット・クライスラー、LVMH
●27日(金):シェブロンUBS

■主要イベントの予定
●1月24日(火):
2016/12の中古住宅販売件数
英最高裁、EU離脱の議会承認めぐり判断
・1月のユーロ圏製造業PMI
●25日(水):
・2016/11のFHFA住宅価格指数
2016/12Ifo景況感指数
●26日(木):
新規失業保険申請件数(1/21終了週)
2016/12の新築住宅販売件数
●27日(金):
2016/10-12GDP(速報値)
1月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
●30日(月):
2016/12の個人支出・所得
・ユーロ圏1月の消費者信頼感

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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