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米国ウィークリー 2017/11/14号

短期的な調整は買い場に!

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  • 2017/3Q(7-9月)決算はほぼ一巡し、足元の株式市場はやや相場の牽引役を失ったような状況となっている。また、期待が高まっていた税制改革の実現に暗雲が漂いはじめており、株式市場は短期的な調整の可能性もありそうだ。

    100人の上院において共和党の現有議席は52に留まっており、オバマケア撤廃失敗の二の舞になるとの懸念が出てきている。何れにしても、上院共和党の税制改革法案に法人税減税の実施を2019年に先送りする案が盛り込まれる模様である。
  • 10月の月間上昇率が4.3%と大幅高になったNYダウは、10/31から11/8にかけて7連騰し5営業日連続で最高値を更新。しかし、11/10時点で続落により11月月初来の上昇分はほぼ帳消しとなった。特に減税メリットが大きいと見られる小型株の株価パフォーマンスに影響が出ており、代表的指数ラッセル2000は月初来で1.83%の下落である。一方、原油価格は堅調な推移でエネルギーセクターの株価を押し上げるが、中東における地政学リスクには注意を払いたい。サウジアラビア政府は閣僚らを大量に拘束し、サウジとイランは対立が激化。イランがレバノンのシーア派勢力を支援し、サウジ政府がレバノン国内のサウジ国民に即時退去を促したとも伝わり、軍事衝突の臆測が広がっている。

    一方、トランプ大統領のアジア歴訪は、世界の注目を集めている。中でも貿易不均衡、北朝鮮の核やミサイル開発抑止、アジアにおける中国の支配強化への対応など、米国が中国に働き掛けなければならない課題は山積している。習近平国家主席との米中首脳会談に合わせて発表された大型商談の契約総額は2,535億ドル(約28兆円)に及ぶ。表向きは、トランプ大統領の訪中は、友好的なものであったが、従来の立場が逆転したかのような習近平国家主席が訴える「グローバリズム」と、相変わらず「アメリカ ファースト」を唱え保護主義政策を主張するトランプ大統領は将来、対立関係に陥る可能性もある。当面は、イベント一巡、10月の大幅高などから相場は下押し圧力が強まる可能性もあろうが、むしろ好業績・優良銘柄の下値を拾えるチャンスと捉えたい。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/10現在)

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■主な企業決算 の予定

●11月14日(火):ホーム・デポ

●15日(水):シスコシステムズ、テンセント

●16日(木):ウォルマート、ギャップ、アプライド・マテリアルズ、ベスト・バイ

 

■主要イベントの予定

●11月14日(火):

10月の生産者物価指数

・セントルイス連銀総裁、アトランタ連銀総裁の講演

・IEA月報

ドラギECB総裁、イエレンFRB議長、カーニー英中銀総裁、黒田日銀総裁がECBの会議でパネル討論会に参加(フランクフルト)

シカゴ連銀総裁がECBの会議でパネル討論会に参加(フランクフルト

・独(速報値)、ユーロ圏(改定値)の7-9月GDP

・ユーロ圏9月の鉱工業生産

・独11月のZEW景況感指数

中国10月の小売売上高、工業生産、固定資産投資

・東アジアサミット(マニラ)

●15日(水):

10月の消費者物価指数

11月のNY連銀製造業景況指数

10月の小売売上高

・9月の企業在庫

・9月の対米証券投資

NAFTA再交渉、第5回協議(メキシコ市、21日まで)

シカゴ連銀総裁がパネル討論会に参加(ロンドン)

●16日(木):

新規失業保険申請件数(11日終了週)

11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数

・10月の輸入物価指数、鉱工業生産指数、11月のNAHB住宅市場指数

ブレイナードFRB理事、クリーブランド連銀総裁が基調講演

・ダラス連銀総裁、サンフランシスコ連銀総裁の講演

・10月のユーロ圏消費者物価指数(改定値)

●17日(金):

・10月の住宅着工件

サンフランシスコ連銀総裁が記者団と会見

エレクトロニック・アーツ(EA)が「スター・ウォーズ:バトルフロントⅡ」を世界同時発売

ドラギECB総裁が講演(フランクフルト)     
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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