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米国ウィークリー 2017/3/7号

リスク要因もトランプ相場第2?第3?の幕は上がる?

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  • 2/28、トランプ大統領の施政方針演説は事前にコメントした「驚くべき内容」とはならなかったが、演説を受けて米国株は大幅高となった。演説では、インフラ投資、雇用創出、治安や国防、貿易問題、大幅減税、オバマケア見直しなど従来発表された政策に留まり、減税策への具体的な言及はなかった。

    しかし、マスコミや民主党への攻撃的な姿勢は影を潜め、教育の重要性などにも触れ、共和党だけでなく民主党議員や視聴者に語りかけるスピーチを、多くの米国民が好意的に受け止めた。米大手紙は、“Trump delivered a grand slam of a speech to the nation”(トランプ大統領の演説は完璧であった(※)grand slamはトランプ・ゲームで完勝を意味する)と、同大統領の生涯で最も優れたスピーチであったと称賛。大統領らしい振る舞いやソフトな語り口は、実質的なファースト・レディとも言われる娘のイバンカ氏のアドバイスもあったようだ。
  • 小幅上昇が続いたNYダウは3/1に前日比303.31ドル高の21,115.55ドルと初めて21,000ドル台に乗せた。選挙戦勝利後のトランプ相場第1幕(2016/11/8-12/20)では、NYダウは8.96%高・1,641.88ドルの上昇。第2幕は2017/1/20の大統領就任式とするなら、1/19を起点に3/1の最高値までとすれば7.01%高・1,383.15ドルの上昇である。第2幕が続くのか、はたまた3月利上げを契機に第3幕が上がるのか、何れにしても米国株の先高観は強まったと見ている。

    3/10の雇用統計を吟味する必要はあろうが、金融当局の要人や2月に続く3/3のイエレンFRB議長のコメント、FF金利先物からみた利上げ確率(3/3現在94%)などから、3/14-15のFOMCでの利上げ環境は整ったと見ている。見通しを含めた米国企業の業績やISM景況指数など経済指標は良好である。PMIなど重要経済指標が安定推移する中国では、3/5から開幕した全人代で2017年の経済成長率の目標が6.5%と発表された。2016年の6.7%から鈍化するが、石炭や鉄鋼など余剰生産能力を引き続き削減する模様で、構造改革の更なる進展が期待される。欧州での選挙の行方、北朝鮮問題などリスク要因も顕在化しつつあるが、習近平国家主席やメルケル首相とトランプ大統領との首脳会談が決定となれば、相場を一段と押し上げることになると見ている。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/3現在)

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主要イベントの予定
●3月7日(火) :
・1月の貿易収支
・1月の消費者信用残高
・ユーロ圏2016/10-12のGDP(確定値)
・独1月の製造業受注
・OECD経済見通し公表
●8日(水) :
・2月のADP雇用統計
・グーグル、「グーグル・クラウド・ネクスト17」開催(サンフランシスコ、3/10まで)
・独1月の鉱工業生産
・中国2月の貿易収支
●9日(木) :
・2月の輸入物価指数
・新規失業保険申請件数(3/4終了週)
・EU首脳会議(ブリュッセル、3/10まで)
・ECB金融政策決定、ドラギ総裁が記者会見
●10日(金) :
・2月の雇用統計
・中国2月の経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ
●13日(月) :
・2月のLMCI(労働市場情勢指数)
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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