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米国ウィークリー 2017/6/27号

原油安、低金利はメリットか?

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  • FRBによる金融正常化の内容と緩やかな金融引き締めペースが確認されたことで、売り込まれていたハイテク株に買い戻しの動きが強まった。6/23現在、過去5営業日で、NYダウはメルク(MRKファイザー(PFEなど医薬品のほかアップル(AAPLなどが買われ僅かながら上昇となり、S&P500の24業種分類による上昇率上位5業種は、医薬品・バイオ4.64%、ソフトウエア・サービス2.53%、テクノロジー・ハード・機器2.46%、ヘルスケア機器・サービス2.16%、半導体・同製造装置1.02%となった。

    ナスダックは1.84%高、業種別にはヘルスケア7.76%高、コンピューター2.37%高などとなった。同期間のフィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.99%上昇と大幅高となり、個別の上位上昇率はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMDが23.86%、マイクロン・テクノロジー(MU6.26%などとなった。
  • 再び上昇基調にあるナスダックやSOXは、このトレンドは維持する可能性があると見る。FOMC後の米国10年国債利回りは、それ以前の2.2%台から2.1%台に低下しその後は安定推移となっている。ハイテク企業の大型設備投資額や医薬品・バイオ企業の研究開発費など多額の資金ニーズがあるこれら企業にとって良好な収益環境が続くことになる。引き続き両セクターが株式市場のドライバーになると予想する。

    NYダウ、S&P500は先週週初に上昇したが、週半ば以降は上昇分を取り崩す展開となった。原油価格が一段と軟調な展開となり、エネルギーセクターが市場の重石となった。電気通信サービスのほか、金利低下で収益環境の悪化が懸念された保険、銀行などが売られた。FRBによる大手銀行のストレステスト(健全性審査)で、34行全てが経済的なショックに耐える能力があることが示されたが、金融セクターは引き続き上値の重い展開となりそうだ。このほか、懸念材料としては、公表されたオバマケア代替法案が上院を通過できるかどうか、原油価格下落でオイルマネーが資本市場から引き揚げる動きがあるか、動向に留意したい。ただ、原油安や低金利はメリットと捉える局面にもあるため、相場は全般に引き続き堅調な展開が続くと予想する。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/23現在)

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■主な企業決算 の予定
●6月28日(水) :モンサントゼネラルミルズ
●6月29日(木) :ナイキマイクロン・テクノロジー

■主要イベントの予定
●27日(火) :
4月のSP・コアロジック/ケース・シラー住宅価格指数
・6月の消費者信頼感指数
イエレンFRB議長の発言
夏季ダボス会議(中国大連、6/29まで)
●28日(水) :
・5月の卸売在庫
5月の中古住宅販売成約指数
・MBA住宅ローン申請指数
FRB包括的資本分析(CCAR)の結果を公表
●29日(木) :
1-3月のGDP(確定値)
・新規失業保険申請件数(6/24終了週)
韓首脳会談(ワシントン、6/30まで)
●30日(金) :
5月の個人支出・所得
6月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
・6月のシカゴ購買部協会景気指数
中国6月の製造業PMI
・ユーロ圏消費者物価指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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