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米国ウィークリー 2017/8/22号

慎重姿勢も中長期の堅調を維持へ!

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  • 足元で政権運営に関する不透明感が増し相場の重石となっている。8/12にバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者と反対派の間で衝突が起き、多数の死傷者を出した。南北戦争で奴隷制存続を主張した南軍の記念碑や将軍像の撤去を巡り激しい対立が起きている。その後も、白人至上主義者は多くの都市で抗議活動を計画しているが、こうした暴力行為の責任の所在を曖昧にしたトランプ大統領は激しい非難を浴び、株式市場にも影響が及んでいる。

    8/15、トランプ大統領は記者会見で「双方に非がある」と白人至上主義者の擁護ともとれる発言を行い、その後もツイッターで人種差別を巡る国内分断を助長するような言動を繰り返している。支持層である白人労働者への配慮と見られるが、一連の発言を巡り、米国大手企業の首脳らでつくる2つの政権への助言機関(製造業評議会と戦略・政策評議会)は委員の辞任が相次いだことで解散となった。経済政策の要職に着任したばかりのコーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任観測が浮上し、一部の共和党議員が離れていったと見られる。
  • 夏休み明けのトランプ大統領には、アフガニスタン紛争に関する新戦略の公表、政府機関の部分的閉鎖回避に向けた予算の支出法案に関する連邦議会の合意形成、税制改革を巡る交渉など課題が山積だ。8/18にはトランプ大統領の側近であった主席戦略官バノン氏が様々な確執から退任。これまでの排外的な政策がより現実路線へ軌道修正されるかといった点も今後注目される。

    7月分のFOMC議事録では利上げ時期を巡り意見が分かれ、金利は低下。フィリップ証券では、議事録の内容からもFRBが9月に資産圧縮を行い、経済動向次第だが12月の利上げがメインシナリオになると見ている。それでも、金融正常化のペースは十分緩やかであり、好調な企業業績と良好な景気動向のもと株式市場は、中長期的に堅調な展開を予想する。短期的には、米軍が規模を縮小した模様だが8/21からの米韓軍事演習、軍事優先と制定した8/25の北朝鮮の先軍節を控え、投資家の慎重姿勢も想定される。また、8/23のECBドラギ総裁、8/25には「金融の安定」をテーマにジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演など、今後の金融政策に関するコメントが注目される。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(8/18現在)

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■主な企業決算 の予定
●8月22日(火):BHPビリトン
●23日(水):HP
●24日(木):ティファニー

■主要イベントの予定
●8月22日(火):
6月のFHFA住宅価格指数
トランプ大統領、アリゾナ州で集会
・独8月のZEW景況感指数
●23日(水):
・ダラス連銀総裁講演
7月の新築住宅販売件数
ユーロ圏8月の総合PMI(速報値)
・ドラギECB総裁講演(ドイツ・リンダウで)
●24日(木):
新規失業保険申請件数(8/19終了週)
7月の中古住宅販売件数
●25日(金):
7月の耐久財受注
イエレンFRB議長、講演(ジャクソンホールでの年次シンポジウムで)
・独8月のIfo景況感指数
●28日(月):
・7月の卸売在庫前月比
・8月のダラス連銀製造業活動指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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