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米国ウィークリー 2018/12/4号

FAANGなどハイテク買い戻しの展開へ!

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  • 運用比率を引き下げられたFAANGなどハイテク株の買い戻しの動きが強まる展開を予想する。10月初旬以降、金利の急上昇、世界景気減速、半導体市場の伸び鈍化などの懸念から、株式に加えて原油など商品市況も大きく下落し、リスクオフの展開が続いた。ただ、これらの悪材料は、ほぼ出尽くしたと見ている。

    11/21にOECDは、世界経済の成長率が2018年推計の3.7%に対して2019年、2020年は何れも3.5%と予測。多くの新興国で資本流出や通貨安が進み、貿易摩擦を背景に貿易の伸びと投資が落ち込むことを想定。米国による関税率や政策金利引き上げが、原材料費高騰や新興国からのマネー流出を引き起こし、世界的な景気冷え込みへの懸念が強まった。しかし、パウエルFRB議長は11/28の講演で、「政策金利が中立金利に近付いた(“Just below”)」と発言。11/29に公表された11/7-8開催分のFOMC議事要旨では、金利水準の正常化を進める中で、これまで必ず存在した「さらなる段階的な利上げが適切」との文言が削除され、ほぼ四半期ごとに進めてきた利上げ打ち止めの可能性が示された。パウエル議長の発言が裏付けられた格好である。新興市場を含む景気冷え込みのシナリオはやや後退したものと見られる。
  • また、11/27にWSTS(世界半導体統計)が発表した2018年秋季半導体市場予測によれば、世界の半導体市場は2017年の前年比21.6%増に対し、2018年が年後半の減速から同15.9%増、2019年は貿易摩擦などから同2.6%増と慎重な見通しが示された。ただ、株式市場では既に半導体市場の伸び鈍化を織り込み、関連株は大幅に下落。むしろ、悪材料が出尽くしたと言えよう。また、世界半導体市場は、金額ベースで2018年4,016.25億ドル、2019年4,095.53億ドルが見込まれ、前回2018年春季半導体市場予測の2018年3,905.09億ドル、2019年4,069.18億ドルから上方修正された。

    12/1、G20閉幕後の米中首脳会談は大きな進展こそ見られなかったが、米国による追加関税発動が90日間猶予されることで合意に至り、両国の貿易戦争は一時休戦となった。米国は将来の軍事的脅威となり得る「中国製造2025」の見直しを迫るが、中国も譲れない大きな政策で、両国の争いは長期化する公算が高い。ただ、米国が求める貿易赤字縮小や市場開放などに対し、段階的な農産品・資源輸入拡大による解決や、サービス・農業の規制緩和の協議などで中国側は譲歩の姿勢を示した。株式市場は、悪材料出尽くしと米中首脳会談での小さな前進を評価し、大きく売られたFAANGなどハイテクを買い戻す動きが強まり、堅調な展開を予想する。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/30現在)

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■主な企業決算 の予定

●12月4日(火):ヒューレット・パッカード・エンタープライズ

●12月6日(木):クローガー、ブロードコム、アルタ・ビューティ

■主要イベントの予定

●12月4日( 火)

・EU財務相理事会

●12月5日(水)

・パウエルFRB議長、上下両院合同経済委員会で証言

・ジョージ・H・Wブッシュ元大統領の死去に伴う国民追悼の日により株式市場休場

・地区連銀経済報告(ベージュブック)

・11月の ADP雇用統計、米11月のISM非製造業指数

・中国11月の財新サービス業PMI 、財新コンポジットPMI

●12月6日(木)

・アトランタ連銀総裁、講演

・OPEC総会(ウィーン)

・ 12月 1日終了週の新規失業保険申請件数

・10月の貿易収支

・10月の製造業受注

●12月7(金)

・ブレイナードFRB理事、講演

・一部政府機関の予算が期限切れ

・12月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)

・11月の雇用統計

・10月の卸売在庫

・10月の消費者信用残高

・ユーロ圏7-9月のGDP(確定値)

●12月8日(土)

・中国11月の 貿易収支

●12日9日(日)

・中国11月のPPI、CPI

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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