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米国マンスリー2017年2月号

強硬なトランプ政策とマクロ・ミクロの注目ポイント!

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賃金上昇率と労働参加率に注目

2009/10に10.0%まで高まった失業率は、足元でほぼ完全雇用の水準まで低下。2008年のリーマンショック以降、暫く停滞した労働市場であったが顕著な改善を示している。

ただ、労働参加率(生産年齢人口に占める労働力人口)は歴史的な低水準にあり、未だ改善の余地があると見られる。一方、景気回復に伴い労働市場は引き締まり、賃金上昇率が2009年以来の高水準となっている。賃金上昇は離職者を労働市場に呼び戻し、インフレ率上昇に寄与する可能性がある。労働参加率、平均時給の動向に注目したい。(庵原)

【良好な労働市場~賃金上昇率と改善余地の大きい労働参加率に注目!】

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株価も好調~素材、ハイテク

2016/12期4Qの業績動向は概ね市場予想を上回る良好な状況にある。セクター別では、素材、公益、ヘルスケア、ハイテクなどが好調だ。

一方、株価パフォーマンスでは、素材、ハイテクなどが良好である。世界的な景気回復基調を背景に、資源や半導体などの需要が拡大し、市況も上昇。資源など素材や半導体関連などハイテクセクターの株価動向に注目したい。一方、医薬品、バイオなどのセクターには注意したい。新政権は薬価改革のほか、がんや幹細胞などの研究を縮小し、ワクチンの安全性を再検討する意向があり、影響が懸念される。(庵原)

【資源など素材、半導体などハイテクは好調~ヘルスケアは要注意?】

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半導体市場~2017年も拡大へ

SOX指数は、主要株価指数が大幅な上昇となる以前の昨年夏以降、大幅な上昇が続いている。

米調査会社によれば、2016年の半導体市場規模は前年比1.5%増の3,397億ドルとプラス成長に転じた模様。メモリが供給不足となり、年初軟調に推移していた価格が上昇に転じ、特にNANDがデータセンター向けだけではなくノートPC向けにも需要が増加し、スマホへの搭載容量も増えたことが背景にあるようだ。2017年は自動車、通信向けなど市場の伸びは高まる見通しだ。(庵原)

【市況好転、需要拡大で2017年の半導体市場の成長率は拡大へ】

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金利上昇も住宅購入意欲は旺盛

2016/12の中古住宅販売は年換算で前月比2.8%減の549万戸と市場予想を下回った。価格は前年同月比4%上昇の23.22万USD。ただ、2016年通年では545万戸と前年比増加し2006年以来の高水準。

金利上昇が販売を抑制したようだ。しかし、12月の中古住宅販売仮契約指数は、前月比1.6%上昇と前月のマイナスから回復。買い手の購入意欲は強く、住宅在庫は165万戸に減少し17年ぶりの低水準。一方、トランプ政策を追い風に賃金上昇、雇用市場の更なる改善となれば、一時的に落ち込んだ中古住宅の販売件数は回復すると見られる。(袁)

12月の中古住宅販売は減少となったが、回復への期待も!

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好調な米金融大手の決算動向

米主要金融6社の2016/10-12決算は、5社が純収益で増加し、EPSも5社で市場予想を上回った。トランプ氏の大統領選当選後の金利上昇で利鞘が拡大し、活発な債券取引が金融各社の収益を押し上げた。

商業銀行ではJPモルガン(JPMバンカメ(BACの純収益が堅調に伸び、EPSも市場予想を大幅に上振れた。投資銀行ではゴールドマン・サックス(GS)が2桁増収と好調であった。トランプ大統領は選挙公約のTPP離脱など政策の実行を進めており、金融規制緩和の実施についても期待が高まる。景気回復による金利上昇と株高もあり金融機関の業績改善が続きそうだ。(袁)

【良好な主要金融機関の決算~「トランプラリー第二幕」への期待が続く?】

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堅調な米新車販売と政策動向と

2016/12の新車販売は前年同月比3.1%増の169万429台、年換算で1,843万台と市場予想の1,770万台を大きく上回った。2016年は前期比0.4%増の1,755万台と過去最高を更新。トラックなど中大型車への需要シフトが継続し、年末の手厚い販売奨励金も追い風となった。

ゼネラルモーターズ(GM)が同9.9%増、フォード(F)のトラック販売も好調。消費者マインド改善から自動車販売がさらに拡大する可能性がある。トランプ大統領は米大手3社に改めて雇用創出の協力を要請し、生産コスト増が懸念される。このため、今後の減税や規制緩和、ドル高是正など政策動向に注目したい。(袁)

【トラック販売が牽引し自動車販売は堅調な推移】

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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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