What is the news?
2018/11期3Q(6-8月)は、売上高が前年同期比24.4%増の22.91億USD、純利益が同58.8%増の6.66億USD。調整後EPSは1.73USDと市場予想の1.69USDを上回った。売上高のうち、サブスクリプション収入が同28.7%増の20.21億USD、製品販売収入が6.2%減の1.49億USD、サービス・サポート収入が同7.8%増の1.20億USD。売上高の約90%を継続課金ベースの収益が占めた。3Qでは自社株買いを通じ7.14億USDの株主還元を実施した。
セグメント別の概況は以下の通り。Document CloudやCreative Cloudを含むデジタル・メディア部門は、売上高が同26.6%増の16.08億USD。同部門のARR(年換算経常収益)は64.03億USDとなった。同部門のうち、クリエイティブ分野の売上高は同27.9%の13.60億USDと同セグメントを牽引。ビデオ編集ソフト「Project Rush」、UXデザインツール「Adobe XD」の提供開始などが寄与した。クリエイティブ・ツール「Adobe Spark」では、インド技能開発・起業促進省との提携が決定。Document Cloudの売上高は、同20.6%増の2.48億USD。「Adobe Sign」がFedPAMPに採用されるなど、政府機関や医療・金融機関への導入が進んだ。Experience Cloudを含むデジタル・エクスピリエンス部門は、売上高が同20.9%増の6.14億USD。Marketing Cloud、Analytics Cloud、Advertising Cloudなどが牽引。NBAプロパティーズ、オーストラリア・コモンウェルス銀行、米連邦航空局などで導入が進んだ。出版部門は、売上高が同8.1%増の6,820万USD。
How do we view this?
2018/11期4Q(9-11月)の会社計画は、売上高が24.20億USD、デジタル・メディア部門の売上高が前年同期比22%増、デジタル・エクスピリエンス部門の売上高が同20%増、EPSが1.42USD、調整後EPSが1.87USD。なお、4Qの売上高はAcrobatに係る永久ライセンス収入を含んでいる。2018/11通期市場予想は、売上高が前期比23.2%増の89.93億USD、当期利益が同55.1%増の26.28億USD。報道によると、同社はマーケティングオートメーション大手のマルケトの買収に向け交渉中。買収が成立した場合、Marketing Cloudとの統合などによるシナジー効果が期待される。
配当予想(USD) 0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 270.79 2018/9/18
会社概要
1982年に設立された世界最大級のソフトウェア会社。 「Document Cloud」、「Creative Cloud」、「Experience Cloud」、の3つのクラウドを通じて、クリエイター、マーケ ター、知識労働者、アプリケーション・ディベロッパー、法 人顧客、一般消費者向けに定期課金ベースのソフトウェ アやサービスを提供する。同社が開発したPDFは、現 在、国際標準化機構(ISO)で管理されるオープンスタン ダードの1つとなってる。
「Document Cloud」は紙ベースの手動プロセスをデジタ ルに変えるためのサービスを提供しており、PDFソリュー ションの「Acrobat DC」、電子サインソリューションの 「Sign」、関連モバイルアプリなどのソフトウェアがある。 「Creative Cloud」は、制作用デスクトップツール、モバイ ルアプリ、Adobe Stock画像などを提供しており、 「Photoshop」、「InDesign」、「Illustrator」などのソフトウェ アがある。「Experience Cloud」は法人顧客向けのソ リューションを提供しており、統合デジタルマーケティング サービス「Marketing Cloud」、デジタルマーケティングア ナリティクスの「Analytics Cloud」、デジタル広告の最適 化サービスの「Advertising Cloud」などから構成される。
企業データ(2018/9/19)
ベータ値 1.01
時価総額(百万USD) 132,596
企業価値=EV(百万USD) 129,526
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 702.1
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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