What is the news?
2018/12期2Q(4-6月)は売上高が前年同期比52.6%増の17.56億USD、純利益が1.16億USDと前年同期の▲4,200万USDから黒字転換。調整後EPSは0.14USDと市場予想の0.12USDを上回った。プロセッサーやチップセット、GPUからサーバー向け製品、セミカスタムSoCまで幅広い分野で売上が伸びた。売上高総利益率も37%と前年同期の34%から大幅に改善。新製品の導入効果が出たほか、エンタープライズ・組み込み型・セミカスタム(EESC)事業の売上構成比が上昇したことも寄与。
セグメント別の概況は以下の通り。コンピューティング・グラフィック事業は、売上高が同64.3%増の10.86億USD、営業利益が同16.7倍の1.17億USD。ブロックチェーン向けGPUの販売に陰りが見えたが、GPUの「Radeon」シリーズやマイクロプロセッサーの「Ryzen」シリーズの販売が好調に推移した。平均販売価格(ASP)は、クライアント・プロセッサーでは低下したものの、GPUではデータセンター向けRadeonが牽引し上昇した。エンタープライズ・組み込み型・セミカスタム(EESC)事業は、売上高が同36.7%増の6.70億USD、営業利益が同4.3倍の6,900万USD。セミカスタム(EESC)の販売が伸びたほか、サーバー向け製品も伸長した。HPEやシスコシステムズが高性能プロセッサー「EPYC」を採用したプラットフォームを立ち上げたほか、イタリア国立核物理研究所はEPYCの高性能計算用クラスターへの採用を決定。その他事業は、営業利益が同▲3,300万USDと前年同期の▲2,400万USDから赤字幅拡大。
How do we view this?
2018/12期3Q(7-9月)会社計画は、売上高が16.5-17.5億USD、調整後売上高総利益率が38%である。引き続きブロックチェーン向けGPUは落ち込むが、RyzenやEPYCなどサーバー向け製品が伸びる見通し。2018/12通期の市場予想は、売上高が前期比25.4%増の66.82億USD、当期利益が同9.1倍の3.93億USD。同社は3Qに、12nmプロセス「Zen+」アーキテクチャで設計された第2世代Ryzenを発売する予定。また、2018年後半にはサーバー、ワークステーション向けに7nmプロセス「Vega」アーキテクチャで設計されたRadeonの発売を計画している。
配当予想(USD) 0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 18.94 2018/7/27
会社概要
1969年に設立した半導体企業。スタンドアロンデバイスおよび加速処理ユニット(APU)への組み込み用のx86マイクロプロセッサーや、単体GPU、統合GPU、プロフェッショナルGPUなどを手掛ける。また、サーバー・プロセッサーや組み込み型プロセッサー、セミカスタムSoC(System-on-Chip)製品やゲーム機向けの技術なども提供する。その他、知的財産ポートフォリオの一部のライセンス供与も行っている。プロセッサーの「Athlon」「Geode」「Opteron」 「Phenom」 「EPYC」「 Ryzen」「Sempron」「Threadripper」「Turion」、GPUの「FirePro」「Radeon」、同期技術「FreeSync」、バーチャル・リアリティー・テクノロジー「LiquidVR」などのブランドのもと、製品・サービスを展開している。
同社が開発したx86プロセッサーの「Zen」アーキテクチャーは、2017年以降に発売される同社コンピューティング製品に搭載される、全く新しい設計である。第2世代のRyzenプロセッサーは、新しい「Zen+」アーキテクチャーを備えた高度な12nmプロセス・ノードを基盤とする初のデスクトップ・プロセッサーである。
企業データ(2018/7/30)
ベータ値1.56
時価総額(百万USD)18,359
企業価値=EV(百万USD)18,769
3ヵ月平均売買代金(百万USD)932.6
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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