What is the news?
2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.6%増の51.44億USD、純利益が▲23.28億USDと前年同期の8.94億USDから赤字転落。税制改革に伴い計上した一時費用の29億USDが響いた。この費用により、実効税率が前年同期の17%から434%まで上昇した。為替変動の影響を除くと売上高は同2%増である。一方、調整後EPSは0.68USDと市場予想の0.67USDを上回った。プロダクト・ミックスの変更により、売上高総利益率は73.6%と、前年同期の69.3%から改善した。売上高の内訳は、他社との提携やその他収入が同6.1%減の4.03億USDとなったが、大部分を占める医薬品の販売収入は同4.8%増の50.46億USDであった。
主要な製品の売上高は、ガン免疫治療薬「オプジーボ」が前年同期比3.9%増の13.61億USD、血栓塞栓症の治療・予防に用いられる経口投与が可能な抗凝固剤「エリキュース」が同43.8%増の13.63億USD、の関節リウマチ治療薬「オレンシア」が同5.9%増の6.62億USD、抗悪性腫瘍剤「スプリセル」が同6.7%増の5.27億USD、ガン免疫治療薬「ヤーボイ」が同1.9%増の2.69億USD、抗悪性腫瘍剤「エムプリシティ」が同34.0%増の0.63億USD、B型慢性肝疾患治療薬「バラクルード」が同21.3%減の2.33億USDであった。
How do we view this?
2018/12通期会社計画は、売上高が一桁台の増加率、売上高総利益率が70%、調整後EPSが3.15-3.30USD、実効税率が20-21%程度である。2018/12通期市場予想は、売上高が前期比4.4%増の216.98億USD、当期利益が同5.1倍の51.46億USDである。同社は、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法を化学療法と比較評価した臨床第3相試験について、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルのファーストラインの進行非小細胞肺ガン患者(NSCLC)で、併用療法が無増悪生存期間(PFS)の主要評価項目を達成したと発表。結果については、規制当局と共有し、今後、開催される学会で発表する予定だ。「オプジーボ」、「ヤーボイ」の用途拡大が期待される。
配当予想(USD)1.62(予想はBloomberg)
終値(USD)65.47 2018/3/6
会社概要
1887年創業。大手製薬企業の事業基盤と、バイオテクノロジー企業の起業家精神と敏捷性を兼ね備えた、スペシャリティ·バイオファーマ企業。深刻な病気を抱える患者を助けるための革新的な医薬品を開発・提供することを使命とし、「ガン」、「心血管疾患」、「免疫系疾患」、「線維症」の4領域を重点疾患領域としている。創薬の初期段階から後期段階に至るまで、大学・研究機関、企業などとパートナーシップを結び、オープンイノベーションを積極的に取り入れている。
主な製品には、悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫向けガン免疫治療薬「オプジーボ」、虚血性脳卒中、全身性塞栓症、静脈血栓塞栓症向けの抗凝固剤「エリキュース」、関節リウマチ治療薬「オレンシア」、慢性骨髄性白血病、再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病向け抗悪性腫瘍剤「スプリセル」、根治切除不能な悪性黒色腫向けのガン免疫治療薬「ヤーボイ」、多発性骨髄腫向け抗悪性腫瘍剤「エムプリシティ」、B型慢性肝炎、B型肝硬変治療薬「バラクルード」等がある。
企業データ
ベータ値0.99
時価総額(百万USD)106,885
企業価値=EV(百万USD)105,661
3ヵ月平均売買代金(百万USD)476
主要株主(2018/3) (%)
1. Wellington Management Group LLP8.46
2. Vanguard Group7.56
3. BlackRock6.39
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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