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個別銘柄レポート:コカ・コーラ

前期比4%の増収見通し、2030年に廃棄物ゼロを目指して新たな容器ビジョンを提示

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ニューヨーク | 飲料 | 業績フォロー

BLOOMBERG KO:US | REUTERS KO.N

  • 2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比20.2%減の75.12億USD、純利益が▲27.52億USDと前年同期の5.50億USDから赤字転落。調整後EPSは0.39USDと市場予想の0.38USDを上回った。
  • リフランチャイズ化の影響により売上高が26%減少したほか、税制改革に伴い計上した一時費用の約36億USDが重しとなった。
  • 2018/12通期の会社計画は、調整後売上高が前期比4%程度の増加、調整後営業利益が同8-9%増、調整後EPSが同8-10%増。2030年に廃棄物ゼロを目指した新たな容器ビジョンを提示した。

What is the news?

2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比20.2%減の75.12億USD、純利益が▲27.52億USDと前年同期の5.50億USDから赤字転落。製造施設を各地のボトラー会社に譲渡するリフランチャイズ化の影響によりGAAPベースでの売上高が26%減少したことに加え、税制改革に伴い海外留保利益に対するみなし本国送還税など一時費用の約36億USDが重しとなった。一方、為替の変動や組織再編の影響を除いた調整後売上高は同6%増、調整後EPSは0.39USDと市場予想の0.38USDを上回った。ボトル入り飲料水や茶系・コーヒーなどの非炭酸飲料の販売が好調だった。主力商品の「コカ・コーラ」を含む炭酸飲料は横ばいであった。

地域別セグメントでは、欧州・中東・アフリカ地域は、売上高が同6.1%増の17.46億USD、純利益が同6.4%減の7.48億USDであった。南米地域は、売上高が同13.8%増の11.18億USD、純利益が同21.4%増の5.84億USDと好調。北米地域は、売上高が同6.0%増の26.22億USD、純利益が同2.4%増の5.96億USD。アジア・太平洋地域は、売上高が同0.9%減の10.29億USD、純利益が同2.7%減の3.26億USD。その他、ボトリング子会社は、売上高が同69.4%減の12.68億USD、純利益が▲6.15億USDと前年同期の▲10.26億USDから赤字幅縮小となった。

 

How do we view this?

2018/12通期の会社計画は、調整後売上高が前期比4%程度の増加、調整後営業利益が同8-9%増、調整後EPSが同8-10%増である。また、法人実効税率の見通しを21%と従来計画の26%から引き下げた。2018/12通期の市場予想は、売上高が同11.5%減の313.37億USD、当期利益が同7.2倍の89.65億USDである。同社は、2030年までに世界で販売する製品に使用されている容器を100%回収しすべてリサイクルするというグローバル目標を発表。この目標の達成に向け、全世界でボトルと缶のデザインや製造方法、リサイクルと再利用の方法など、容器のライフサイクル全体を見直す方針。ESG投資の対象として資金流入が期待される。

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配当予想(USD) 1.56 (予想はBloomberg)
終値(USD) 43.52 2018/2/22

会社概要
1892年設立の世界最大の総合飲料企業。1886年にアトランタの薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士が「コカ・コーラ」を開発し、ソーダ・ファウンテンでの販売を始めたことで創業。その後、エイサ・ G・キャンドラーが「コカ・コーラ」事業の権利を買い取り、会社設立に至る。200以上の国・地域で500以上のブランドを提供する。売上高10億USD規模の21ブランドのうち19ブランドで、糖分摂取管理をサポートする無糖・低糖タイプの製品を提供する。会社名でもある「コカ・コーラ」のほか、世界中で販売されている有名ブランドとして、炭酸飲料の「ファンタ」、「スプライト」、コーヒー飲料の「ジョージア」、緑茶飲料の「綾鷹」、大豆ベース飲料の「AdeS」、果汁飲料およびネクターの「Del Valle」、果汁飲料の「ミニッツメイド」、「Simply」、茶系およびコーヒー飲料の「Gold Peak」、「Honest Tea」、スポーツ飲料の「パワーエイド」、水製品の「ダサニ」、スマートウォーター、「ビタミンウォーター」、ココナッツウォーター「Zico」などがある。ボトリング会社と併せて全世界で70万人以上を雇用する。

企業データ(2018/2/23)
ベータ値0.87
時価総額(百万USD) 185,424
企業価値=EV(百万USD) 214,339
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 562
 

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主要株主(2018/2) (%)
1. Berkshi re Hathaway INC 9.39
2. Vanguard Group 6.67
3. BlackRock 5.68
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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