What is the news?
2019/2期2Q(6-8月)は、売上高が前年同期比9.8%増の25.25億USD、純利益が同2.3倍の11.49億USD。調整後EPSは2.87USDと市場予想の2.59USDを上回った。主力製品であるコロナシリーズやモデロシリーズの販売が伸びたビール事業が好調に推移。価格設定見直しやオペレーションの効率化などにより、同事業の営業利益率は過去最高を更新。大麻栽培加工を行うキャノピー・グロースの保有株式の評価益が6.39億USDなども寄与。
事業セグメント別の業績は以下の通り。ビール事業は、売上高が前年同期比10.5%増の15.27億USD、営業利益が同10.8%増の6.30億USD。コロナシリーズで投入した新製品「コロナ・プレミアム」や米国ビール市場で最も成長したブランドとなったモデロ・エスペシャルシリーズなどが牽引し、市場シェアの伸び率が産業内でトップとなった。「コロナ・プレミアム」の投下に伴うマーケティング活動により売上高広告費率は約9%となったものの営業利益率は41.3%と前年同期から0.1%上昇し、過去最高を更新した。ワイン&スピリッツ事業は、売上高が同9.3%増の7.72億USD、営業利益が同8.5%増の2.01億USD。注力して取り組んできた高価格帯ワインが成果を見せつつあり、11USD超の価格帯のワインの売上高の伸び率が約6%まで上昇。メイオミやキムクロフォード、シミ、ザ・プリズナーなどが伸びた。営業利益率は26.0%と前年同期から0.2%低下。ブドウ価格の上昇や輸送コスト増加による製造原価の増加が響いた。
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2019/2通期会社計画を上方修正。EPSを従来計画の10.93-11.23USDから14.10-14.25へ、調整後EPSを9.40-9.70USDから9.60-9.75USDへそれぞれ引き上げた。ビール事業の売上高・営業利益はともに前期比9-11%増、ワイン&スピリッツ事業の売上高・営業利益はともに同2-4%増で据え置き。2019/2通期の市場予想は、売上高が前期比7.4%増の81.45億USD、当期利益が同10.3%増の25.56億USD。また、同社はキャノピー・グロースの株式を40億USD分追加取得すると発表。大麻市場は次の10年間において世界で最も大きい成長機会の1つとなり得ると説明した。
配当予想(USD) 2.96 (予想はBloomberg)
終値(USD) 223.71 2018/10/15
会社概要
1945年にアップステート・ニューヨークでワイン製造業として創業したアルコール飲料会社。100以上のブランド、約40箇所のワイナリー、醸造所、蒸留所を抱え、米国、メキシコ、ニュージーランド、イタリア、カナダで事業を展開する。従業員は1万人以上。
ビールでは米国内シェア第3位で、「コロナ・エキストラ」、「コロナ・ライト」、「モデロ・エスペシャル」、「モデロ・ネグラ」、「パシフィコ」などの海外ブランドの米国販売権を持つほか、米国で最も高く評価されているブルワリーの1つである「バラストポイント」、「ファンキー ブッダ ブルワリー」等もある。また、プレミアムワインの世界的リーダーであり、「ロバートモンタヴィ」、「クロ デュ ボワ 」、「キム·クロフォード」、「メイオミ」、「マーク・ウエスト」、「ブラック・ボックス」、「ルフィーノ」、「ザ・プリズナー」などブランドを販売する。同社の蒸留酒ブランドには、ウォッカの「SVEDKA」、テキーラの「カサノブレ」、ウイスキーの「ハイウエスト」などがある。
企業データ(2018/10/16)
ベータ値 0.60
時価総額(百万USD) 42,450
企業価値=EV(百万USD) 52,435
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 358.3
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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