What is the news?
上場後初の四半期決算である2018/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比27.6%増の3.16億USD、純利益が▲4.65億USDと前年同期の▲0.33億USDから赤字幅拡大。売上高総利益率も61.9%と前年同期の62.3%から悪化。有料プランユーザー数と高価格帯プランの契約数が堅調に伸びたものの、1Q末に勤続条件を満たした2種類の特定譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)のIPOに際して、リクイディティ・イベントに関連した業績条件を達成したことより計上された株式報酬関連費用の4.18億USD、および特定譲渡制限付株式に関連して発生した1,390万USDの雇用主負担の法定福利費が重荷となった。一方、これら一時費用などを除いたNon-GAAPベースの調整後純利益は同5.9倍の3,090万USD、調整後EPSは0.08USDと市場予想の0.04USDを上回った。調整後の売上高総利益率は74.2%と前年同期の63.5%から大幅に改善。
重要な経営指標の状況は以下の通り。有料プランユーザー数は、2018/3末時点で1,150万人であった。2017/3末時点の930万人から24%増加した。増加分の大部分が無料プランユーザーによる有料プランへのアップグレードによるものであった。有料プランユーザーあたり年換算平均売上高(ARPU)は114.30USDと前年同期の110.79USDから3.2%伸びた。2017/1Qに開始した「Dropbox Advanced」などの高価格帯プランの契約が伸びたほか、為替変動によるプラスの効果などが寄与した。
How do we view this?
同社は、セールスフォースとアルファベット傘下のグーグルとのパートナーシップにより、同社のエコシステムが強化されたと見ている。年内に、グーグルのGmailやカレンダー、ドキュメントなどを一括で使用できる企業向け業務システム「G Suite」と同社プラットフォームを統合する計画だ。G Suite上のコンテンツをDropbox上で直接、編集、保存、共有できるようになるほか、Dropboxのアカウントに保存できるようになる。2018/12通期市場予想は、売上高が前期比23.1%増の13.62億USD、当期利益が1.14億USDと前期の▲1.11億から黒字転換の見通し。
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
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