What is the news?
2018/5期1Q(6-8月)は、売上高が前年同期比4.3%増の152.97億USD(市場予想153.50億USD)、純利益は同16.6%減の5.96億USD、調整後EPSは2.51USD(同3.00USD)と売上、利益とも市場予想を下回った。サイバー攻撃による大規模な集荷・配送の遅れやハリケーンの影響が収益の押し下げ要因となった。このため、1Qの営業利益は同11.6%減の11.17億USDとなり、同利益率は7.3%と前年同期の8.6%から悪化した。一方で、国際小包の輸送量は増加し、ネット通販の拡大に伴い米国での陸上輸送も好調であった。
セグメント別の1Qの収益は以下の通り。フェデックス・エクスプレスは、売上高が同2.2%増の86.5億USD、営業利益が同29.0%減の4.33億USDとなった。国内・国際小包の価格上昇が売上高を押し上げたが、TNTエクスプレスへのサイバー攻撃が収益を押し下げた。フェデックス・グランドは、小包の数量増が寄与し売上高が同8.2%増の46.4億USD、営業利益が同2.6%増の6.26億USD、フェデックス・フライトは、値上げ、単位当たりの出荷増、燃油サーチャージの上昇が寄与したほか、中ロット・小ロットの1日平均貨物出荷が同1%増となり、売上高が同5.4%増の17.5億USD、営業利益が同30.4%増となった。
How do we view this?
2018/5通期会社計画は、TNTエクスプレスへのサイバー攻撃の収益への影響(2017年6月の影響額が約3億USD)がフルに出ると見込み、従来予想を下方修正した。TNTの統合費用や年金の会計上の調整等特別項目を除くベースのEPSは12.00-12.80 USDと予想しており、市場予想の13.10USDを下回った。会社側では、サイバー攻撃などによる収益への影響の抑制を図っていく意向である。一方で、年末商戦を控える中、ネット通販拡大の恩恵、国際小包の輸送量増など動向が期待される。
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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