What is the news?
2017/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比3.1%増の104.33億USD、純利益が▲8.72億USDと前年同期の▲5.94億USDから赤字幅が拡大した。一方、調整後EPSは0.98USDと市場予想の0.93USDを上回った。ガン免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」が世界各国で適応症を増やしたことにより販売が伸びた。唯一の第一選択薬である転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者向けが同製品の伸びに大きく貢献。ヒトパピローマウイルスの感染に起因する疾患の予防ワクチンである「ガーダシル」も、中国での上市のほか2016/12末の仏サノフィとのワクチン合弁子会社の解消に伴い2017/12期から計上されることとなった欧州19ヵ国の売上などが寄与し好調であった。しかし、税制改革に伴う一時費用として計上した26億USDが重しとなり、赤字幅が拡大した。
主要な医薬品の売上高は、糖尿病治療薬の「ジャヌビア」、「ジャヌメット」が前年同期比1.0%増15.2億USD、「キイトルーダ」は売上高が同2.7倍の12.97億USD、「ガーダシル」、「ガーダシル9」が同16.8%増の6.33億USD、高脂血症治療剤の「ゼチーア」、「バイトリン」が同41.7%減の5.09億USD、HIVインテグラーゼ阻害剤の「アイセントレス」、「アイセントレスHD」が同8.6%減の3.08億USD、C型肝炎治療薬の「ゼパティア」が29.3%増の2.96億USD、アニマルヘルス製品が11.0%増の9.81億USDであった。
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2018/12通期会社計画は、売上高が412-427億USD、調整後EPSが4.08-4.23USDである。通期市場予想は、売上高が前期比4.0%増の417.22億USD、純利益が同3.1倍の80.29億USD。同社は、主力のがん治療薬「キイトルーダ」が、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対して、抗がん剤の「アリムタ」、「シスプラチン」、「カルボプラチン」を併用した初回治療を評価した第3相臨床試験KEYNOTE-189において、2つの主要評価項目(全生存期間及び無増悪生存期間)を達成したと発表。KEYNOTE-189のデータは今後の医学学会で発表され、規制当局に提出される予定。化学療法との併用により、同薬の利用拡大が期待される。
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