What is the news?
2018/12期2Q(4-6月)は、純営業収益が前年同期比11.6%増の106.10億USD、純利益が同38.7%増の24.37億USD。調整後EPSは1.25USDと市場予想の1.11USDを上回った。活発な市場と健全な顧客のエンゲージメントを反映し、増収増益となった。世界の公表および完了ベースのM&A取扱高と世界のIPO取扱高で第1位となるなど、投資銀行業務とセールス&トレーディング業務が好調だった。ウェルス・マネジメント部門も引き続き堅調に推移し、税引前利益率は26.8%を維持した。
セグメント別の業績は以下の通り。法人・機関投資家向け証券部門は、純営業収益が前年同期比20.0%増の57.14億USD、税引前利益が同25.6%増の18.12億USD。同セグメントの純営業収益のうち、投資銀行業務の収益は同21%増の17億USD。全ての地域でM&Aが活性化したことでアドバイザリー収益が伸びたほか、IPOの取引高の増加により株式引受収益も伸びた。また、主に非投資適格企業に対する融資の手数料を反映して、債券引受収益も増加した。一方、セールス&トレーディング業務の収益は同18%増の38億USDだった。ファイナンス業務をはじめ全ての商品が好調だった株式セールス&トレーディングや、コモディティ商品とクレジット商品が伸びた債券セールス&トレーディングが牽引した。ウェルス・マネジメント部門は、純営業収益が同4.2%増の43.25億USD、税引前利益が同9.5%増の11.57億USD。資産価格の上昇と良好な資産流入を反映し、資産運用手数料収入が伸びた。資産運用部門は、純営業収益が同3.9%増の6.91億USD、税引前利益が同1.4%減の1.40億USD。委託・決済費用の増加が響き減益となった。2018/6/30時点の顧客預り・管理資産は前年同期の4,350億USDから4,740億に増加した。
How do we view this?
2018/12通期の市場予想は、純営業収益が前期比6.0%減の410.17億USD、当期利益が同37.1%増の83.80億USD。同社は、四半期配当を直近の1株当たり0.25USDから0.30USDに引き上げると発表した。また、2018/12期3Q(7-9月)から2019/12期2Q(4-6月)の4四半期にかけて47億USD相当の自社株買いの実施を計画している。
配当予想(USD)1.11 (予想はBloomberg)
終値(USD) 50.74 2018/7/23
会社概要
1981年設立だが、前身は1924年の創業。子会社、関連会社を通じ、投資銀行業務、株式・債券のセールス&トレーディング、不動産業務、資産運用業務を含む幅広い金融サービスをグローバルに提供する。1956年銀行持株会社法(BHC Act)に基づき、FRB(連邦準備制度理事会)の管轄下、金融持ち株会社(FHC)となった。
政府機関、企業、金融機関、個人など幅広い顧客層を対象としており、法人・機関投資家向け証券部門、ウェルス・マネジメント部門、資産運用部門の3つの事業部門のもとで事業を管理している。本社はNYで、ロンドン、東京、香港など世界的な金融センターに主要オフィスを持つ。その他、アジア・太平洋地域、欧州、中東、アフリカの各国で拠点を展開。従業員は世界で57,633人。
企業データ(2018/7/24)
ベータ値 1.42
時価総額(百万USD) 89,823
企業価値=EV(百万USD) 214,071
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 486.9
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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