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米国ウィークリー 2017/11/28号

イベント注視の様子見姿勢強まる展開か?

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  • クリスマス商戦の滑り出しは好調のようだが、当面の株式市場は盛り沢山のイベントに注目が集まる展開となりそうだ。税制改革法案化に向けた動きや、12月のFOMCを控え相次ぐ金融当局者の発言が注目されることとなろう。中国や強まる中東の緊張などを横目に、米国動向が相場を左右する展開を予想する。

    感謝祭を含む週末の連休から、共和党は上院での税制改革法案の議会通過に向けた動きを強めることになろう。2018年の中間選挙に向けた成果を得るためにも、共和党議員は年末までにトランプ大統領が署名できる状況を目指すことになろう。上院100議席のうち共和党は52議席とぎりぎりの攻防が見込まれ、多くの投資家が様子見姿勢を決め込む状況も想定される。下院では既に独自の税制改革法案を可決済みであるが、一部、州・地方税の控除廃止の可能性に対する懸念が浮上しており、上院で可決しても上下両院協議会での法案調整が必要であり、難航も予想される。上院では週内にも採決が実施される見通しであるが、税制改革成立に向けては暫く時間を要することになりそうだ。
  • 11/28にはパウエル次期FRB議長の指名承認公聴会が開かれ、11/29にはイエレンFRB議長の上下両院での議会証言が予定されている。このほか、NY、サンフランシスコ、ダラスやセントルイスなど各連銀総裁、11/30にはトランプ大統領がFRBに送り込んだクオールズ副議長(新設の銀行監督担当)など、12/12-13(現地時間、声明発表は日本時間12/14午前4時)のFOMC前のブラックアウト期間(12/2から金融当局者が金融政策に関する発言ができなくなる)を控え、金融当局者の講演が相次ぐ。

    来年2月に議長のバトンを受けるパウエル理事は、これまでFRBのコンセンサスを支持してきた通り、金融政策をスムースに引き継ぐことが予想される。ただ、足元で長短金利差が急速に縮小(イールドカーブのフラット化)し、債券市場では懸念が広がっており、最近の弱いインフレと2018年の利上げペースに関するコメントには注意が必要であろう。また、クオールズFRB副議長も含め、今後の金融規制緩和について言及があるかについて注目したい。11/29に発表される7-9月GDP成長率の改定値は、速報値の前期比年率3.0%に対して同3.2%と上方修正が見込まれており、市場の反応も注視したい。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/24現在)

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■主な企業決算 の予定
●11月29日(水):ティファニー

■主要イベントの予定
●11月28日(火):
・9月のFHFA住宅価格指数
9月のSP・コアロジック/ケース・シラー住宅価格指数
11月の消費者信頼感指数
パウエル次期FRB議長の指名承認公聴会
OECD経済見通し
・フィラデルフィア連銀総裁講演
●29日(水):
7-9月のGDP(改定値)
地区連銀経済報告(ベージュブック)
イエレンFRB議長が上下両院合同経済委員会で証言
・ニューヨーク連銀総裁、サンフランシスコ連銀総裁講演
・英首相、議会で党首討論
●30日(木):
・25日終了週の新規失業保険申請件数
10月の個人消費支出所得
11月のシカゴ製造業景況指数
FRBのクオールズ銀行監督担当副議長、ダラス連銀総裁講演
・ユーロ圏11月の消費者物価指数(速報値)
・ユーロ圏10月の失業率
中国11月の製造業PMI非製造業PMI
OPEC総会
●12月1日(金):
11月のISM製造業景況指数、自動車販売台数
・セントルイス連銀総裁、ダラス連銀総裁、フィラデルフィア連銀総裁講演
・ロサンゼルス自動車ショー(10日まで)
・ユーロ圏11月の製造業PMI(改定値)
中国11月の財新製造業PMI
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)     



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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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