What is the news?
2018/11期1Q(12-2月)は、売上高が前年同期比23.6%増の20.78億USD、営業利益が同49.4%増の7.02億USD、純利益が同46.3%増の5.83億USDとなった。調整後EPSは1.55USDと市場予想の1.43USDを上回った。売上高は四半期ベースで過去最高を更新。同社は、期中に約160万株の自社株買いを行っており、合計で3.10億USDの現金を株主に還元した。
セグメント別の業績は以下の通り。PDFを中心とした文書業務向けのクラウドサービス「Document Cloud」や、画像処理ソフトなどをクラウドで提供する「Creative Cloud」を含むデジタル・メディア部門は、売上高が同28.3%増の14.60億USD。主力のクリエイティブ分野の売上高は、同30.5%12.29億USDだった。ソフトウェアの定期購入者数が幅広く増加。また、加入者1人あたりの月間平均収入(APRU)も全製品カテゴリーで上昇した。「Document Cloud」は、同17.9%増の1.95億USD。「Acrobat」のサブスクリプション採用や、好調な「Sigh」の寄与により堅調に推移。クラウド経由で法人顧客向けソリューションを提供する「Experience Cloud」を含むデジタル・エクスピリエンス部門は、売上高が同16.1%増の5.54億USD。デジタルマーケティングアナリティクスを提供する「Analytics Cloud」で、「Audience Manager」、「Campaign」、「Target」などの新サービスの投入を行ったことで売上が伸びた。出版部門は、売上高が同2.9%減の0.64億USDだった。
How do we view this?
2018/11期2Q(3-5月)の会社計画は、売上高が21.50億USD、デジタル・メディア部門の売上高が前年同期比25%増、デジタル・エクスピリエンス部門の売上高が同15%増、調整後EPSが1.53USDである。2018/11通期の会社計画は、売上高が87.25億USD、デジタル・メディア部門の売上高が前期比23%増、「Experience Cloud」の売上高が同20%増、デジタル・エクスピリエンス部門の売上高が同15%増、調整後EPSは6.20USDである。2018/11通期の市場予想は、売上高が前期比21.1%増の88.44億USD、当期利益が同50.4%増の25.46億USDである。
配当予想(USD) 0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 224.53 2018/4/10
会社概要
1982年に設立された世界最大級のソフトウェア会社。「Document Cloud」、「Creative Cloud」、「Experience Cloud」、の3つのクラウドを通じて、クリエイター、マーケター、知識労働者、アプリケーション・ディベロッパー、法人顧客、一般消費者向けに定期課金ベースのソフトウェアやサービスを提供する。同社が開発したPDFは、現在、国際標準化機構(ISO)で管理されるオープンスタンダードの1つとなってる。
「Document Cloud」は紙ベースの手動プロセスをデジタルに変えるためのサービスを提供しており、PDFソリューションの「Acrobat DC」、電子サインソリューションの「Sign」、関連モバイルアプリなどのソフトウェアがある。「Creative Cloud」は、制作用デスクトップツール、モバイルアプリ、Adobe Stock画像などを提供しており、「Photoshop」、「InDesign」、「Illustrator」などのソフトウェアがある。「Experience Cloud」は法人顧客向けのソリューションを提供しており、統合デジタルマーケティングサービス「Marketing Cloud」、デジタルマーケティングアナリティクスの「Analytics Cloud」、デジタル広告の最適化サービスの「Advertising Cloud」などから構成される。
企業データ(2018/4/10)
ベータ値 1.02
時価総額(百万USD) 110,574
企業価値=EV(百万USD) 106,301
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 670.9
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
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