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米国ウィークリー 2017/12/12号

堅調地合いもFOMC待ちの展開か?

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  • 12/8、トランプ大統領は12/22までの連邦政府の支出を手当てする暫定予算案に署名し、政府期間の閉鎖が回避された。最近の税制改革の議論の前進や同日に発表された11月分の雇用統計が総じて市場予想程度と12月の追加利上げがほぼ確実視される状況となり、株式市場に楽観的な見方が強まった。

    11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比22.8万人増と市場予想の同19.5万人増を大きく上回り、失業率は4.1%と市場予想通りと前月から横ばい。ただ、労働市場の逼迫も過熱感はあまり感じられず、賃金上昇余地が想定される結果となった。11月の平均時給は前年同月比2.5%増と市場予想の同2.7%増を下回り、労働市場に未だスラック(たるみ)が残っている模様で、100ヵ月を超えた景気拡大局面は今後も続く可能性があろう。米国も景気拡大で労働市場は引き締まっており、職探しをあきらめた人や就業機会があれば働く意欲のある人を含む広義の失業率は、賃金が大きく伸びていた前回のリセッション後で最低の水準にある。2018年以降、賃金だけでなく物価上昇にも波及する可能性があり、株価のサポート要因になると見ている。ただ、景気の一段の加速は、2018年の利上げペース加速要因となる可能性もあり動向を注視したい。
  • FRBはトランプ政権の経済政策を前提としていないが、①実質減税の税制改革法案化、②来年1月とも言われる公約のインフラ投資計画の打ち出し、などが見込まれ、個人や法人の良好なマインドが続き、企業収益の拡大も続く公算が高い。賃金や物価上昇圧力が高まり、株価をはじめとした資産価格が軒並み上昇となれば、FRBの想定以上に景気が強まる可能性もあろう。

    12/12-13のFOMCでは、任期最後となるイエレンFRB議長のコメントに注目したい(日本時間12/14午前4時)。バトンを引き継ぐパウエル次期議長についての言及の可能性もあろう。利上げペース、賃金、物価や成長率見通しなどのコメントに耳を傾けたい。FOMCを前にドルは上昇基調にあり、株式市場は様子見姿勢が強まる展開も予想される。乱高下が続くビットコインは、12/10よりCBOE(シカゴ・オプション取引所)で取引が開始され、12/18にはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で先物市場が開設される。一部大量保有者の動向次第では価格急変動も想定され、金融市場への影響には注視したい。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/8現在)

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■主な企業決算 の予定
●14 日(木):オラクル、アドビ

■主要イベントの予定
●12日(火):
FOMC13日まで)
11月の生産者物価指数
・11月の財政収支
●13日(水):
FOMC声明発表、経済予測とイエレンFRB議長記者会見
11月の消費者物価指数
OPEC月報
・ユーロ圏10月の鉱工業生産
・英首相、党首討論
・韓国大統領、訪中(16日まで)
●14日(木):
129日終了週の週間新規失業保険申請件数
・11月の輸入物価指数
11月の小売売上高
・10月の企業在庫 
・IEA月報
・EU首脳会議(15日まで)
・ユーロ圏12月のサービス業・製造業・総合PMI(速報値) 
ECB金融政策決定、ドラギ総裁が記者会見 
・中国11月の小売売上高、工業生産、固定資産投資
●15日(金):
12月のニューヨーク連銀製造業景況指数
11月の鉱工業生産
・映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」公開
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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