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米国ウィークリー 2018/1/23号

トランプの1年とこれから

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  • 1/20に就任1年を迎えたトランプ大統領は、政権運営においては賛否が分かれるところであるが、経済指標や株価等の結果から見れば、現段階で歴史上大きな成果を残した大統領の1人と言うことができよう。GDP成長率は、2017/2Q(4-6月)で前期比年率3.1%、3Q(7-9月)は同3.2%を達成し、1/26発表の4Q(10-12月)は同3.0%が見込まれており、3四半期連続の3%台乗せの可能性もある。

    1/19現在、NYダウは26,071.72ドルと就任前日の2017/1/19の終値19,732.40ドルから32.13%上昇(6,339.32ドル高)と、1,000ドル刻みの節目を7度超えた。2018年に入っても上昇モメンタムは衰えず、年初来で5.47%もの上昇。トランプ大統領が選挙戦に勝利した2016/11以降2017/12まで、NYダウの月間騰落率は2017/3の▲0.72%を除き13ヵ月でプラスである。ただ、日米欧を中心とした大規模金融緩和などが奏功し、世界景気を押し上げ始めた2016年後半以降の時期と重なる幸運に恵まれた面もある。また、バーナンキ前FRB議長の金融政策を引き継いだイエレン議長のFRBは、緩やかな金融正常化が雇用を大幅に増やし、失業率を2017/1の4.8%から2017/12の4.1%まで改善させたと言えよう。
  • 未だインフレ率はFRBが目標とする2%に届いていないが、トランプ政権による減税などが押し上げる可能性は高いと見られる。ただ、トランプ政権が中間選挙勝利に向けた施策として税制改革に続き、インフラ投資や金融規制緩和などのカードを切れば、2019年以降の景気減速の懸念を高める可能性があり、動向を注視したい。短期的には、日欧の金融政策決定会合や米上院での暫定予算案を巡る政府機関の閉鎖が市場の不透明要因である一方、2017/12期4Q(10-12月)決算は順調な滑り出しで、株式市場の押し上げ要因となっている。

    1/19時点でS&P500構成企業のうち53社が発表を終え、41社(77.4%)がEPSで市場予想を上回った。EPSの増益率は4Qの市場予想が前年同期比11.96%増、2018/12通期では前期比17.41%増である。11業種分類のセクター別には、2018/12通期でエネルギー、銀行を中心とした金融、半導体を中心とするハイテク、素材の増益率が順に高い。フィリップ証券では、昨年12月初旬の日本経済新聞社などのアンケート調査で、2018年のNYダウの見通しを10月頃に高値27,000ドルと回答したが、早くも上方修正を迫られるかもしれない。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/19現在)

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■主な企業決算 の予定
●23日(火): JJPG、ベライゾン、TI
●24日(水): GE、UTX、コムキャストフォード、ノバルティス
●25日(木):キャタピラーインテル、WD、スターバックス、3M、STマイクロ、フィアット・クライスラー、LVMH、e度教育網、ネイバー、マルチ・スズキ
■主要イベントの予定
●23日(火):
・マービン・グッドフレンド氏のFRB理事指名承認公聴会
・シカゴ連銀総裁、会議冒頭であいさつ
・第90回アカデミー賞ノミネート作品発表
NAFTA再交渉・第6回会合(カナダ・モントリオール、28日まで)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会(スイス・ダボス、26日まで)
●24日(水):
・11月のFHFA住宅価格指数
12月の中古住宅販売件数
●25日(木):
・20日終了週の新規失業保険申請件数
12月の新築住宅販売件数
・12月の景気先行指標総合指数
ECB政策委員会、ドラギ総裁が記者会見
●26日(金):
10-12月のGDP(速報値)
12月の耐久財受注

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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