【GDPNowによる4-6月実質GDP成長率予想~足下では4.0%!】
再び株価上昇の条件は整った?
2月に急落した世界の株価は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。足元で、10年国債利回りは3%前後で小幅なレンジ内での推移となっている。
5/23に公表された5月開催分のFOMC議事録で、6月の追加利上げの可能性が高いことが示唆された。一方でFRBは「金融政策は緩和的だ」としてきたフォワードガイダンスの文言を変更するのが妥当との意見が出され、政策スタンスの変更もあり得る状況である。政策金利は3%が天井との見方も出ている一方、企業利益は拡大が続いている。株価は再び上昇する条件が整ったのではないかとみている。(庵原)
【再び株価上昇の条件は整った?~金利は落ち着きEPS拡大へ】
原油価格急落も根強い供給懸念
WTI原油先物は5/28に一時65ドル/バレル台をつけるなど、約1カ月半ぶりの水準まで急落。サウジアラビアやロシアが協調減産の緩和に言及したことや、EIAの発表した5/18終了週の米国週間原油在庫統計で、クッシング在庫が前週比577.8万バレル増と市場予想に反して増加したことなどが影響した。
一方で、原油の供給懸念は根強く残る。イランは2016/1の核合意に基づく米欧の制裁解除後、日量100万バレルほど生産量を増やした。トランプ政権による制裁再開で、原油供給量が日量数10万から100万バレル減る可能性もある。ベネズエラの生産の落ち込みにも歯止めがかからない。当面は供給不足が意識された展開となろう。6/22のOPEC総会が注目される。(増渕)
【WTI原油先物が一時65ドル/バレル台まで下落~ただ根強い供給懸念も】
世界的に拡大続くeコマース市場!
市場調査会社eMarketerによれば、世界のeコマース市場は2017年に前年比24.8%増の2.30兆ドルと、世界の小売売上高に占める比率が初めて10%台に達した。モバイル経由の売上高であるmコマース市場は2017年のeコマース市場の58.9%を占めた。
地域別にはアジア・パシフィックの伸びが寄与。2017年の世界の小売売上高は輸出拡大、賃金上昇などによる消費拡大を背景に、同5.8%増の22.64兆ドルとなった。引き続き、eコマース市場は拡大し、2021年には2017年の2.1倍、4.87兆ドルが見込まれている。多額の研究開発、設備投資を続け、消費者の利便性を高め、あらゆる消費を取り込むアマゾン・ドット・コム(AMZN)の動向に引き続き注目したい。(庵原)
【拡大余地大きいeコマース市場~未だ小売売上の10%程度】
需要の拡大が期待される半導体
マイクロン・テクノロジー(MU)は、5/21に2018/8期3Q(3-5月)の会社計画を上方修正。売上高を72-76億ドルから77-78億ドル、調整後EPSを2.76-2.90ドルから3.12-3.16ドルへそれぞれ引き上げた。メロートラCEOは、半導体市場の堅調さを背景に、自社の戦略遂行に集中できたと指摘した。
同社の半導体市場見通しでは、データセンター、モバイル、自動運転、IoTなどを成長ドライバーに、多様なエンドマーケットでの需要の増加を見込む。2021年までの5年間の成長率予想を、ギガ数ベースでDRAMが年平均約20%、NANDが同40-45%とした。エヌビディア(NVDA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などメモリー関連の動向には引き続き注目したい。(増渕)
【マイクロンが会社計画を上方修正~半導体需要は引き続き拡大へ!】
アップルは好決算を発表
5/1に発表されたアップル(AAPL)の2018/9期2Q(1-3月)は、純利益が前年同期比25.3%増の138.22億ドル。EPSは2.73ドルと市場予想の2.64ドルを上回った。ティム・クックCEOはiPhoneやサービス、ウエアラブル端末の販売が力強く伸びたと説明し、高価格モデルのiPhoneXの売れ行きがどのモデルよりも良かったとしている。iPhoneの販売台数は5,221.7万台と同2.9%増加した。
市場では台湾セミコンダクター(TSM)の2018/12期2Q(4-6月)会社計画が市場予想を下回ったことで、スマホブームの先細り懸念が再燃していた。アップルの決算を材料として、アナログ・デバイセズ(ADI)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)など関連銘柄の再評価が進む可能性もあろう。(増渕)
【アップルの2Qは25%の増益~関連銘柄は見直し買いのチャンス!?】
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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