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米国ウィークリー 2017/12/26号

ボラ上昇も株高続く2018年相場!

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  • 波乱含みのトランプ政権下でも、米国株は力強い上昇が続き、先行きの不安心理を示すVIX指数は極めて低い水準で推移した。一旦鈍化が見られた米国経済は、ハリケーン被害からの復興などもあって、再加速。トランプ大統領は12/22に税制改革法に署名し、就任以来ようやく目に見える成果を挙げることとなり、2017年を締めくくる12月の株式市場の月間騰落率もプラスとなりそうだ。トランプ大統領が大統領選挙に勝利した2016/11以降、NYダウ、S&P500は2017/3のそれぞれ▲0.04%、▲0.7%を除き月間ベースでの上昇が続いている。ナスダックは2017/6の▲0.9%以外、同様にプラスで推移している。

    12/22現在、トランプ大統領の選挙戦勝利後約1年でNYダウは、6,865ドルもの上昇となり率にして38.4%高となった。歴史的な株高政権になっていると言えよう。歴代大統領で過去最低水準の40%を下回る支持率だが、株高はトランプ政権の大きな功績の一つであろう。ただ、株高の背景は、バーナンキ前FRB議長の量的質的金融緩和策と、巧妙な舵取りで緩和的状況を維持しつつ出口戦略を引き継いだイエレン現FRB議長の手腕に依る処が大きいと言えよう。
  • 2018年は税制改革に続き、インフラ投資計画が期待される。しかし、超党派の議会予算局(CBO)の試算によると、税制改革法は今後10年間で財政赤字を約1.5兆ドル(約169.5兆円)増大させる見通しで、連邦政府の赤字拡大への懸念などからインフラ投資計画の審議難航も予想されよう。ただ、実質減税による経済効果のほか、金融規制緩和についても議論進展があれば、米国経済は想定以上の持続的な成長を達成する期待が高まることとなろう。むしろ、景気過熱による長期金利の急上昇などに注意したい。何れにせよ2018年は、2017年に続いた低ボラティリティの相場から一転、急変動も起こり得ると見ている。

    現状の政権支持率から、与党共和党は中間選挙で議会の主導権を失う可能性があり、相場の変動要因として注視したい。ただ、メインシナリオは、緩やか利上げペース継続と持続的な企業収益拡大による株高である。トランプ政権の諸政策から現状のEPS見通しは上振れとなる公算が高く、増益率鈍化でもNYダウは27,000ドル程度への上昇は達成できると見る。賃金や物価上昇率の高まりも想定され、パウエル次期FRB議長の手腕が試されることになろう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/22現在)

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■主要イベントの予定
●26日(火):
・10月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数
●27日(水):
・12月の消費者信頼感指数
・11月の中古住宅販売成約指数
・中国11月の工業利益
●28日(木):
・23日終了週の新規失業保険申請件数
・12月のシカゴ製造業景況指数
・ECB月報
●29日(金):
・債券市場は短縮取引
●31日(日):
・中国12月の製造業・非製造業PMI

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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