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米国ウィークリー 2018/2/27号

不透明感払拭で3月は堅調な展開も?

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  • 週末、2/23の米国株はNYダウが前日比347.51ドル高の25,309.99ドルとなるなど大幅上昇となった。経済の拡大が加速しても、FRBは利上げを急がないとの見方が強まり、買いが入った。2.9%台で推移していた米10年国債利回りは2.8%台半ば水準まで低下。通常の範囲の上限である20を軒並み超えていたVIX指数は16.49と水準を大きく切り下げた。

    過去5営業日のNYダウは0.43%高と上昇したが、値幅こそ小さくなったものの、日中の値動きが荒い乱高下の展開となった。金利見通しの先行き不透明感から方向感に欠けるマーケット展開となっている。市場の注目が米国の金利動向に集まる中、10年国債利回りの見通しとその影響について様々な見方が出ている。ゴールドマン・サックスは2018年末までの基本シナリオを3.25%と予想しているが、4.5%に達する場合には株価が10-25%下落すると分析。バンク・オブ・アメリカは、潜在ベースを上回る成長率や国債の需給悪化(供給超)を踏まえ、2018年末予想を従来の2.9%から3.25%に引き上げた。もっとも、金利が3.5%か4%に達するまで株価上昇が続くと見るストラテジストは多く、抑制要因となる可能性はあるが、必ずしも金利上昇が押し下げになる訳ではないだろう。
  • 3/20-21のFOMCでの利上げ確率は再び100%となっているが、ポイントは金利上昇のペースである。緩やかなペースであれば、市場のリスク許容度が大きく低下することにはならないと見ている。2/27、3/1のパウエルFRB議長の米国経済の状況についてのコメントは、3月の相場見通しを見極めるうえで重要となろう。フィリップ証券では、パウエル議長は、現段階では従来のFRBの想定である年3回の利上げペースを引き継ぐものと見ており、乱高下のマーケットは3月に入り落ち着きを取り戻す展開を予想する。

    為替市場では、ドル高基調であるが現状の緩やかなペースであれば、企業業績への影響は限定的と受け止められることとなろう。リスクシナリオの一つとしては、新興国市場からの資金流出が強まるとの観測が広がり、先進国・地域の株価に影響を及ぼすことが挙げられよう。ただ、1997年のアジア通貨危機、2007年の金融危機を経て、新興市場各国では、外貨準備の積み上げなどリスクへの備えを進めており、リスク顕在化の可能性は低いと考えている。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/23現在)

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■主な企業決算 の予定
●27日(火):ヴァーレ、スタンダードチャータード
●28日(水):アナログ・デバイセズセールスフォース、バイエル
●2日(金):JDドットコム

■主要イベントの予定
●27日(火):
・1月の耐久財受注
・12月のFHFA住宅価格指数
・12月のケース・シラー20都市住宅価格指数
2月の消費者信頼感指数
・イエレン前FRB議長とバーナンキ元FRB議長が会談(米ブルッキングス研究所)
●28日(水):
10-12月のGDP(改定値)
・2月のシカゴ製造業景況指数
・1月の中古住宅販売成約指数
パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期に一度の証言
●3月1日(木):
1月の個人消費支出・所得
・1月の建設支出
・2月24日終了週の新規失業保険申請件数
2月のISM製造業景況指数
・1月の自動車販売
・パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期に一度の証言
・中国2月の財新製造業PMI
●2日(金):
2月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
●4日(日):
・独SPD、連立協定について党員投票の結果公表

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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