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米国ウィークリー 2018/3/13号

通商政策とインフレとマーケット!

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  • 3/9のNYダウは、前日比440.53ドル高の25,335.74ドルと続伸し、トランプ大統領による強硬な通商政策発動計画による急落分を取り戻した。貿易戦争の懸念後退と2月の雇用統計でインフレ懸念が落ち着き株価は大幅高となった。

    3/8、トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課す文書に署名したが、NAFTA加盟のカナダとメキシコの他、米国にとって貿易黒字国であるオーストラリアを適用除外とした。同大統領は当初、関税に例外を設けない方針であったが、共和党内からも米国の雇用や物価押し上げによる製造業への打撃など厳しい批判を受け、譲歩する格好となった。ただ、共和党の一部議会スタッフは、通商政策の公な批判は党分裂の可能性もあり、党内に困惑が広がっている。一部議員は経済への影響や相手国の報復措置の可能性を指摘し、新たな制度に制限をかける方法を探っている。一方で、野党・民主党の重鎮を含む一部議員は関税支持を打ち出しており、未だ先行きに不透明感は残る状況だ。
  • 3/9発表の2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比31.3万人増と市場予想の同20.5万人増を大きく上回った。しかし、平均時給が前年同月比2.6%増と市場予想及び下方修正となった1月分の同2.8%増を下回り、インフレ懸念は弱まった。ただ、3/20-21のFOMCでは追加利上げがほぼ確実視されている。経済成長の見通しが力強さを増しているとの認識に立つFRBの年内利上げペース(従来見通しは年3回)が注目される。FOMCを前に2月のCPI(コアで前年同月比1.8%増の予想)やPPI(同2.6%増の予想)が発表される。FRBは物価上昇率が目標である2%に向かっていることを確認すれば、利上げを積極化させる可能性もあろう。因みにFRBが物価動向を見るうえで重要視するコアPCE(個人消費支出)は、3/1発表の1月分で前年同月比1.5%増であった。

    引き続き、通商政策の行方とインフレ動向に伴う長期債利回りの動向などに注視したい。ただ、株式市場は短期的には2月、3月の月初の大幅な下げを取り戻す展開になると予想する。メモリーや半導体製造装置など2018年も市場拡大が見込まれる半導体を中心としたハイテクが相場の牽引役となろう。通商政策の影響を大きく受けると見られ大幅に下げていた建機や資本財の戻り、株高や金利上昇の見通しから金融セクターなどの株価動向にも注目したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/9現在)

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■主な企業決算 の予定
●14日(水):アディダス
●15日(木):ブロードコムアドビ
●16日(金):ティファニー

■主要イベントの予定
●13日(火):
2月の消費者物価指数
・トランプ大統領、カリフォルニア州訪問
ペンシルベニア州下院補欠選挙
EU財務相理事会
●14日(水):
・2月の小売売上高
2月の生産者物価指数
・1月の企業在庫
ドラギECB総裁、講演(フランクフルト)
・メルケル独首相、4期目の就任宣誓
●15日(木):
3月のニューヨーク連銀製造業景況指数
・3月の輸入物価指数
・10日終了週の新規失業保険申請件数
3月のフィラデルフィア連銀景況指数
・3月のNAHB住宅市場指数
・1月の対米証券投資
・IEA月報
●16日(金):
・2月の住宅着工件数
2月の鉱工業生産指数
・1月の求人件数
3月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)
・ユーロ圏2月の消費者物価指数(改定値)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成))


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