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米国ウィークリー 2018/6/19号

強まる貿易摩擦の中での投資対象は?

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  • トランプ政権は6/15、中国に対して知的財産権侵害への制裁措置として、500億ドル(約5.5兆円)相当の中国製品に対して25%の追加関税を課すことを発表。対する中国は同等規模の報復関税を課すことを表明。外務省の陸慷報道局長は「貿易戦争を望まないが、強力な反撃に出ざるを得ない」と述べている。

    米国は7/6から中国の産業ロボットや電子部品、自動車など818品目、340億ドル相当に関税を発動。その後7/24に公聴会を開き、化学品や光ファイバー、計測機器、電子部品の製造装置、農業機械など産業機械、鉄道など「中国製造2025」の重点分野から追加した284品目、160億ドル相当に8月以降の関税発動を計画。米国は巨額の補助金を拠出しハイテク産業を育成する国家戦略「中国製造2025」に批判を強め、同産業に狙いを絞り込む内容となった。
  • 一方、中国は、これまで提案していた米国の農産物やエネルギーなど700億ドル(7.7兆円)相当の輸入拡大案を撤回。6/16に米国産の農産物や自動車、エネルギーなど659品目、500億ドル相当への25%の追加関税を直ちに発表した。7/6に大豆、牛肉、豚肉、鶏肉やオレンジ、ウィスキー、タバコ、自動車(EV含む)など545品目、340億ドル相当に発動し、原油、天然ガス、石炭、エチレンや医療器具など残り141品目、160億ドル相当については発動時期を今後詰める見通し。航空機は国内への影響を考慮し除外したが、大豆の輸出先は中国が6割を占め、米国への影響は小さくないと見られる。米国は中国の投資規制も検討する一方、制裁関税発動後も中国との貿易協議を継続する意向だ。

    ただ、米国内では通商政策への懸念も出ている。与党・共和党の通商政策担当の下院歳入委員会のブレディ委員長は、「米国の製造業や農家などを傷つける」とし、関税の対象品目を更に絞り込むように求めている。中国が追加関税に加えた農業とエネルギーは、共和党の票田となる産業界である。米国が6/1から鉄鋼・アルミニウムの追加関税を発動したEUやカナダは、7月から米国への報復関税発動を予定しており、米国の今後の対応が注目される。トランプ大統領は、国益と足元で高まる支持率を横目で見ながら政策を発動することが想定され、今後も紆余曲折があろう。当面はハイテク株の押し目買いや影響を受けにくいと見られる内需株への投資を推奨したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/15現在)

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■主な企業決算 の予定
●19日(火):オラクル、フェデックス
●20日(水):マイクロン

■主要イベントの予定
●19日(火):
ドラギECB総裁が講演(ポルトガル・シントラ)
・セントルイス連銀総裁がパネル討論会に参加(ポルトガル・シントラ)
・5月の住宅着工件数
●20日(水):
ドラギECB総裁、パウエルFRB議長がパネル討論会に参加(ポルトガル・シントラ)
・5月の中古住宅販売件数
●21日(木):
・FRBが銀行のストレステストの結果を公表
・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)
・英中銀、政策金利発表
・16日終了週の新規失業保険申請件数
・4月のFHFA住宅価格指数
5月の景気先行指標総合指数
●22日(金):
・EU財務相理事会
OPEC総会(ウィーン)
●24日(日):
・トルコ大統領選挙、総選挙

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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