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米国ウィークリー 2017/10/17号

静かなる熱狂?

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  • 「高揚感無き成長」。日米欧と新興国により開催されたG20で、議長国バイトマン独連銀総裁は記者会見で「世界経済はこの1年で均衡のとれた成長が進んだ」との認識を示した。10/12-13の財務省・中央銀行総裁会議で2017年の世界経済は7年ぶりに全ての国・地域でプラス成長となり、回復は力強さを増していることが確認された。ただ、物価の低迷や債務の拡大など、改革の課題が残されていることもあって、世界経済の現状は冒頭の言葉で報道された。
    10/10、IMFは世界経済見通しで、2016年半ばに始まった世界経済の循環的上昇局面が力強さを増しているとし成長率見通しを上方修正。日米欧中で成長が加速し、2017年は世界の約75%の国・地域で経済が拡大。世界成長率はボトムとなった2016年の3.2%に対して2017年は3.6%に達すると予想。下方修正が続いた昨年までと様変わりし、今年は見通し発表毎に上方修正である。

 

  • WTOは、2017年の世界貿易量見通しを4月時点の前年比2.4%増から同3.6%増に上方修正しており、モノの活発な動きが世界経済の拡大状況を裏付けていると言えよう。実際、WTOによる四半期ベースの世界の貿易総額(金額)は、2016/4Q(10-12月)に前年同期比2.0%増と9四半期ぶりにプラス転換し、2017/1Q(1-3月)が同11.1%増、2Q(4-6月)が同7.5%増と増勢基調にある。
    「根拠なき熱狂」。1996/12、当時FRB議長であったグリーンスパン氏が講演の際にバブルの兆しをけん制した言葉の一部である。その後ITバブルに突入し1990年代初めから120ヵ月続いた米国の景気拡大局面は、2001/3にピークを迎えバブルは崩壊し終焉を迎えた。現状の景気拡大局面は、2017/10末で節目の100ヵ月を迎える。過去に例のない極めて緩やかな利上げ等金融出口戦略、世界的景気拡大局面も1年を過ぎたに過ぎない。米国の景気拡大局面は暫く続く可能性もある。イエレンFRB議長は10/15の講演で、利上げの継続のほか賃上げ圧力の高まりなど強い労働市場を受けて、来年にはインフレが上向き2019年までには目標の2%に到達すると強調した。ただ、景気は循環すること、歴史は繰り返されることを念頭に、分散投資(銘柄別、資産別、時間軸など)も心掛けたい。決算発表が本格化するなか業績期待の高まりが想定され、堅調な地合いを維持すると見る。ただ、狭いレンジ相場が続くと予想する。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/13現在)

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■主な企業決算 の予定
●10月17日(火):J&Jモルガン・スタンレーゴールドマン、IBM、中国工商銀行
●18日(水):アルコアアメックス、ASML
●19日(木):ブラックストーン、ベライゾン
●20日(金):GEP&G

■主要イベントの予定
●10月17日(火) :
・9月の輸入物価指数
9月の鉱工業生産指数
10月のNAHB住宅市場指数
・8月の対米証券投資統計
・フィラデルフィア連銀総裁、講演
・英 9月の物価統計
ユーロ圏 9月消費者物価指数
・独 10月のZEW景況感指数
●18日(水) :
9月の住宅着工件数
地区連銀経済報告(ベージュブック)
ニューヨーク連銀総裁、ダラス連銀総裁が講演
・英 9月の雇用統計※ILO基準は6-8月
中国共産党第19回全国代表大会、開幕
●19日(木):
・新規失業保険申請件数(14日終了週)
10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数
9月の景気先行指標総合指数
・EU首脳会議(10/20まで)
中国GDP7-9月)、9月の小売売上高、工業生産、固定資産投資
・APEC財務相会合(ベトナム・ホイアン、10/21まで)
●20日(金):
イエレンFRB議長、クリーブランド連銀総裁、講演
9月の中古住宅販売件数             

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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