What is the news?
2017/9期4Q(7-9月)は売上高に当たる営業収益は前年同期比13.9%増の48.55億USD、純利益は同10.8%増の21.40億USDとなった。EPSは0.90USDと、市場予想の0.84USDを上回った。クレジットカードおよびデビットカードの総決済高が増加したことが寄与。2016年に買収したビザ・ヨーロッパも利益に貢献した。また、同社は4Qに配当および自社株買いにより約21億USDの株主還元を行なった。
4Qの総決済高は、全体で前年同期比10.2%増の1兆9,300USDとなった。米国の総決済高が同8.9%増の8,360億USDと全体の43.3%を占めている。その他、欧州は同11.6%増の4,020億USD、アジア・太平洋は同8.5%増の4,410億USD、カナダは同12.2%増の640億USD、CEMEA(中欧、中東、 東欧とアフリカ)は同24.3%増の850億USD、LAC(中南米やカリブ地方)は同11.6%増の1,020億USDであった。処理済み取引件数も前年同期比12.6%増の291.80億件となった。カード発行残高は全体で前年同期比27%増の31.88億枚で、その内クレジットカードが同19.9%増の10.69億枚、デビットカードが31.2%増の21.18億枚である。
事業別の営業収益(13.46億USDのクライアント・インセンティブ(※)控除前)では、主力のカードサービスは同8.6%増の21.16億USD、データ処理は同4.2%増の20.67億USDとなった。国際取引は同14.1%増の17.92億USDと増収率は大きかった。また、その他は同8.1%増の2.26億USDとなった。(※)クライアント・インセンティブ(Client Incentives)とは顧客へのインセンティブ支払いのこと。
How do we view this?
2018/9通期の会社計画では、営業収益の増加率は前期比1桁台後半、EPSの増加率は最大で10%台半ばとなる見通し。2018/9通期の市場予想は営業収益が前期比9.5%増の201.07億USD、当期利益は同40.5%増の94.14億USDである。同社はバーンスタイン社のレポートで、米国内の売上高の割合の高さから、トランプ政権下で進められる法人税率引き下げを柱とする税制改革からの恩恵が大きい企業として取り上げられた。
配当予想(USD) 0.77 (予想はBloomberg)
終値(USD) 108.58 2017/12/5
会社概要
2007年設立の世界的な電子決済テクノロジー企業。
1958年にバンク・オブ・アメリカが中流階級の消費者と中 小小売業者を対象に初めての消費者向けクレジットカー ド「BankAmericard」を発行し、1976年に「Visa」に改称。 2007年に自社組織の再編成を行い設立された。
消費者、企業、金融機関、政府機関等を対象として、中核商品であるクレジットカード、デビットカード、プリペイ ド、コーポレートカード・パーチェシングカードの他、電子 決済ネットワークやATM決済サービスなどを提供してい る。カード、ノートパソコン、タブレット、モバイル端末な ど、様々なデバイスでの利用ができる。200以上の国と地域において事業を展開。
企業データ(2015/12/5)
ベータ値0.94
時価総額(百万USD) 224,939
企業価値=EV(百万USD) 233,468
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 768
主要株主(2017/12) (%)
1. Vanguard Group INC 7.06
2. Black Rock 6.47
3. FMR LLC 4.76
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
【レポートにおける免責・注意事項】
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL:
http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提
供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の
見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身
の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ
いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま
す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項>
本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。