What is the news?
2019/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比3.8%増の1,280.28億USD、純利益が▲8.61億USDと前年同期の28.99億USDから赤字に転落した。米国では食料品やアパレルの販売が伸びたほか、猛暑によりプールやエアコン、水着、ガーデニング用品など季節商品の売れ行きが好調だった。注力するネット通販も米国で同40%伸びた。一方、ウォルマート・ブラジルの株式の80%の売却に伴う45億USDの損失や、税制改革に伴う繰延税金資産の取り崩し、出資する京東集団(JDドットコム)の株価下落による評価損などの特別費用が重荷となり、最終赤字となった。ウォルマート・ブラジルの株式売却損の大部分は為替差損であり、8/1に売却が完了したため連結対象外となる。これら特殊項目を除く調整後EPSは1.29USDと同19.4%増。市場予想の1.22USDを上回った。
セグメント別の業績は以下の通り。ウォルマート・米国は、売上高が前年同期比5.2%増の828.15億USD、営業利益が同1.4%増の44.79億USD。客数と客単価がそれぞれ同2.2%増、同2.3%増と伸び、既存店売上高は同4.5%増と過去10年で最も大きな伸びとなった。ウォルマート・インターナショナルは、売上高が同4.0%増の294.54億USD、営業利益が同19.1%減の12.69億USD。メキシコ、英国、カナダ、中国で既存店売上高が伸びたが、前年同期に計上したSuburbiaの売却益の反動が出た。サムズ・クラブは、売上高が同0.6%減の147.90億USD、営業利益が同2.8%増の4.02億USD。タバコ販売をやめた影響はあったが、客数が同6.7%伸びた。既存店売上高は同5.0%増と過去6年で最高の伸び。
How do we view this?
2019/1通期の会社計画を上方修正。売上高の伸び率を2.0%(従来計画1.5-2.0%)、ウォルマート・米国の既存店売上高の伸び率を3%増(同2%)、サムズ・クラブの既存店売上高の伸び率を3%(同▲1%から0%程度)、調整後EPSを4.90-5.05USD(同4.75-5.00USD)とした。同社によると、8/8にインド競争委員会は同社の印フリップカートの買収計画を承認したという。2019/1通期の市場予想は売上高が前期比2.9%増の5,149.45億USD、当期利益が同37.2%増の135.34億USDである。
【レポートにおける免責・注意事項】
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL:
http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提
供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の
見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身
の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ
いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま
す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項>
本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。