政策相場は変わらない / ドル円とユーロドル 目先の注目点は?
今日のポイント:『次の米国大統領が誰になっても”政策相場”は続く。ドル円は引き続き104円のトライとブレイクが焦点。ユーロドルは1.16が新たなサポートポイントとして浮上してきた』 詳細はマーケットレポートをご覧ください。
どっちが勝っても政策相場は続く
激戦となっている今回の米大統領選挙だが、接戦州の郵便投票を巡り火種がくすぶり始めている。
仮に法廷闘争にまでもつれ込む展開となれば、一時的に米株のボラティリティが拡大することが予想される。米ドル相場のボラティリティも高まる可能性があろう。
だが、米大統領選挙の混迷を横目に、昨日の米株は終始堅調地合いを維持した。トランプ米大統領が再選しようが、バイデン氏が次の大統領になろうが、今の米株は政策期待が重要な要因であることを示す動きである。
筆者は、政策期待によってトレンドが決定される相場を『政策相場』と呼んでいる。コロナショックによる景気の後退を防ぐため、米議会は追加の財政政策を打ち出してくるだろう。また、FEDによる金融緩和政策も長期化しよう。
これらの状況をかんがえるならば、大統領選挙の後も政策相場は続くだろう。よって、『米株高→米ドル安』のトレンドはしばらく続くと予想している。
ドル円の104円ブレイクと米金利
昨日のドル円の日足ローソク足を確認すると、高値105.34で上値が抑制され長い上ヒゲが示現した。105円前半での売り圧力の強さをあらためて市場参加者に印象付けた。
また、テクニカル面では短期レジスタンスラインの突破にも失敗している。
米金融緩和政策の長期化によって、米長期金利(以下では米金利)の低空飛行状態が続く可能性があること、それに伴い米国の実質金利も低下基調を維持する可能性が高いことを考えるならば、ドル円は104円の下方ブレイクを意識する局面が続くと予想する。
今日の下値の焦点は、昨日の安値104.13レベルの攻防となろう。104.10にはビッドが観測されている。
104.10台を下方ブレイクする展開となれば、104.00トライを想定したい。
現在のマーケット状況を考えると、『株高→米ドル安+米金利の低下』による104円ブレイクのシナリオを想定しておきたい。
104.00の攻防となる場合、最も注目すべきは米金利の動向である。株高に追随し米金利も反発する局面が散見されるならば、104円台の維持に貢献しよう。
なお、昨日の米金利は、米大統領選挙の混迷を受け急低下した。
ドル円のチャート
米長期金利のチャート
ユーロドルのサポートポイントは1.17から1.16へシフト
最後にユーロドルの焦点について。
10月下旬以降の動向で明らかになってきたことは、サポートポイントが1.17から1.16へシフトしつつあるということである。この可能性を高めたのが昨日の動向だった。
日足のローソク足を確認すると、ドル円とは逆に長い下ヒゲが示現し1.16台の維持に成功していることがわかる(安値1.1602)。
また、昨日の反発で、変則的ながらも9月の安値1.1610とダブルボトムを形成する可能性が出てきたことも考えるならば、目先の重要サポートポイントとして1.16を想定しておきたい。
一方、上値の焦点は1.18台への再上昇である。これを達成する場合は、1.2011(9/1高値)を起点とした短期レジスタンスラインの突破が焦点となろう。このラインは今日現在1.1839レベルで推移している。
ユーロドルのチャート
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