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米株の弱気相場入りとドル円の展望

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

米国株式市場はベアトレンドへ

12日の米国株式市場は歴史的な急落となった。ベンチマークとなるS&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、60.0%レベルまで上昇している。この水準は2008-2009年に発生した世界金融危機以来である。この時は最高で85.19%まで上昇した経緯がある。トランプ米政権が英国を除く欧州から米国への渡航を制限することを決定したこと、そして各国の金融緩和強化がまったく無視されている状況も考えるならば、米株のボラティリティは高止まりする可能性が高い。この状況が続く限り、米長期金利(以下米金利)は地表(0%)すれすれの超低空飛行状態が続こう。そして外為市場では昨日の動向が示すとおり、日本円、米ドルそしてスイスフラン買いが激しく交錯する展開が予想される。
尚、昨日の急落により、S&P500は重要ポイント2,714.816を完全に下方ブレイクした。2月19日に付けた最高値3,393.52から20%以上下落したことが確認されたことで、米国株式市場はブルトレンドからベアトレンドへ転じた可能性が高まった。今日以降、FEDリスク(=利上げリスク)が意識された2018年12月26日安値2,346.58レベルでダブルボトム形成の動きとなるかどうか、この点が次の下値の焦点である。

S&P500指数の動向

S&P500 volatility ボラティリティ

ドル円相場の短期的展望

米株のボラティリティと同じく、ドル円のボラティリティも拡大傾向にある。この点をインプライドボラティリティ(1週間)で確認すると、29%台まで急上昇している。通貨オプション市場の参加者は、今後1週間の間にドル円が上下に大きく動くことを予測している。そしてリスクリバーサル(1週間)が未だ低下トレンドにあることを考えるならば、警戒すべきは下値トライである。
さらに昨日の変動で判明したことは、102.00レベルが下限として、106.00レベルが上限として意識され始めていることである。この展開にリスクリバーサルの動向も合わせて考えるならば、105円後半まで反発する局面では反落を意識し、103円ブレイクの際は反発を意識すべきフェーズあると言える。
今日のドル円も株式にらみの展開となるだろう。米株をはじめ主要な株価指数が調整の反発となれば、106.00を視野に底堅い展開を予想する。逆に続落の展開、特に米株の下落幅がさらに拡大する展開となれば、まずは直近高安のフィボナッチ・リトレースメント50.00%の水準103.62レベルおよび61.80%の水準103.05レベルの攻防に注目したい。今月10日以降、後者の水準でサポートされる局面が見られることから、より注視すべきは103.05の攻防(103円台の維持)となろう。

通貨オプション市場の動向(ドル円)

USDJPY ドル円 インプライドボラティリティ リスクリバーサル

ドル円チャート

USDJPY ドル円  フィボナッチ・リトレースメント

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