外為市場と米株 それぞれの焦点
外為市場は現在、急速に進行した米ドル高の調整局面にあります。通貨オプション市場の動向を考えると、今週もこの状況が続く可能性があります。円相場のトレンドは株式、特に米株の動向に左右されそうです。その米株の動向を考える上で重要なポイントとは?詳細はマーケットレポートにて。
米ドル相場と円相場 それぞれの焦点
主要通貨ペア-ドル円、ユーロドル、ポンドドルのインプライドボラティリティ(1週間)を確認すると、現在は低下基調にある。一方、これら通貨ペアのリスクリバーサル(1週間)を確認すると、総じて上昇基調にある。
3月上旬から中旬にかけてのボラティリティ拡大は、リスク回避の米ドル買いを象徴した現象だった。しかし、現在はそれが一時的にせよ終息している。そして、短期的に対欧州通貨での米ドル高圧力が後退するという市場の観測(=リスクリバーサル)も考えると、今週の外為市場は急速に進行した米ドル高の調整が続く可能性が高い。また、ドル円のリスクリバーサルが上昇基調へ転じていること、そして直近の米株の動向も考えるならば、円安圧力が高まるかどうか、この点についても注視する必要があろう。後者については株高回帰という条件付きである。この条件をクリアし無い限り、米ドル売り優勢の展開が続くことで、ドル円は下落リスクに注視する状況が続こう。目先の下値の焦点は、ビッドが観測されている107.00の維持となろう。昨日は107.10まで下落する局面がみられた。一方、上値の焦点は108.50前後の攻防である。この水準は3月2-3日および13日に相場をレジストした経緯がある。
主要通貨ペアのインプライドボラティリティ
主要通貨ペアのリスクリバーサル
株高回帰の鍵は米株のボラティリティ
株高回帰の鍵は米株の反転にある。米株の動向を見極める上で重要視すべきはボラティリティの動向である。ベンチマークであるS&P500指数の動向を確認すると、2,500ポイントで徐々に底打ち感が出始めている。それに伴い昨日のボラティリティは97.90から97.13へと低下した。未だ高ボラティリティの状況を考えるならば、上下に大きく振れる不安定な状況はもうしばらく継続しよう。だが、今月24日以降、政策期待が土台となり底打ち感が出始めている現在の状況を考えるならば、米株のボラティリティは今後低下基調を辿るとことが予想される。米株が完全に反発基調へ転じると予想されるボラティリティの水準は30%以下と筆者は想定しているが、これについては明日以降のレポートで考察したい。
S&P500指数
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