米ドル全面安 豪ドルは1年5カ月ぶり高値
米ドルが全面安となるなか、豪ドルは0.72米ドル台に乗せ、1年5カ月ぶりの高値を付けた。この日発表の中国の経済指標が良好だったことも豪ドルの買い材料になった。
31日の外国為替市場でオーストラリアドルの対米ドル相場が上昇を継続。米ドルが全面安となるなか、0.72米ドル台前半で取引されている。これは2019年2月以来、約1年5カ月ぶりの高値に相当する。
30日発表の4~6月期の米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率32.9%減と過去最大の落ち込みとなったほか、週間の米新規失業保険申請件数が増加したことで米景気の先行き懸念が強まり、ドルを売る動きが強まった。ドルは対円では104円台前半まで下げている。
週半ばから対米ドルで高値更新を続ける豪ドルは、朝方に0.72米ドル台に乗せ、その後も終日、強地合いを維持した。
一方、豪ドルの対円相場は横ばいで推移。円が対米ドルで買われている流れによるもの。この日は75円台前半の狭いレンジでもみ合っている。
午前10時に中国国家統計局が発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から上昇したことも豪ドルの買い材料だった。
7月のPMIは51.1となり、前月の50.9から上昇。市場予想は50.7だった。また、拡大・縮小の節目となる50を5カ月連続で上回った。
豪ドル相場見通しをNABが引き上げ
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は豪ドル相場の見通しを引き上げ、2020年12月は0.74米ドル、21年12月は0.78米ドル、22年6月は0.80米ドルとした。従来はそれぞれ0.72米ドル、0.75米ドル、0.75米ドルだった。
NABはリスク選好の改善と商品価格の上昇により、豪ドルのフェアバリューが押し上げられたとの見方を示した。
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