アンジェスのコロナワクチン、10月にも大規模治験と伝わる 株は利食い優勢
・第1相臨床試験は7月開始へ
・非臨床試験で抗体価上昇確認
マザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が、新型コロナウイルスのワクチン開発において、7月開始予定の第1相臨床試験での安全性の確認後、10月にも大規模な臨床試験を始める意向と伝わった。一方、5日の株式市場ではアンジェスに対して売りが優勢。投資家が利益を確定させている。
5日付の化学業界専門紙の化学工業日報が3日開催のオンラインシンポジウムでのアンジェスの山田英社長の発言を報じた。
それによると、同社は医療関係者を中心に数十例程度の規模の第1相臨床試験で安全性などを確認する。試験は大阪大学医学部、および大阪市立大学医学部の附属病院で行う。結果を見極めて10月にも大規模臨床試験に移行する。
アンジェスは5月25日、3月下旬に開始した非臨床試験での動物へのワクチン投与で抗体価上昇が確認できたと発表。今後、毒性試験結果を確認した上で、速やかに臨床試験への移行を進めるとしている。
ワクチン開発はアンジェスと阪大(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)が保有するプラスミドDNA製品の開発実績に基づいて行われている。アンジェスによると、DNAワクチンは弱毒化ワクチンとは異なり、病原体を使用しない。
阪大発企業のアンジェスは、年内に20万人分のワクチン供給を準備する計画という。
アンジェスの株価は続落。午後1時46分現在、前日比53円(2.54%)安の2030円で推移している。
3月5日にコロナワクチン開発への着手を発表したことをきっかけに、アンジェスに個人投資家の物色の矛先が向かった。株価は4月後半から上げ足を速め、5月7日まで11営業日連続で続伸。同月8日に2455円まで買われて年初来高値を更新した。
しかし、過熱感が高まるなか、株価はその後の2営業日で50%超下落。同月11日に1200円を付けた。その後の戻り高値は、非臨床試験での抗体価上昇の確認発表の翌日に付けた2309円。
タカラバイオ
新規投与デバイスによる皮内への遺伝子導入法を開発する化学メーカーのダイセル<4202>は反発。12円(1.3%)高の934円で推移している。
このワクチンを製造するタカラバイオ<4974>は2円(0.07%)高の2898円で取引されている。2日に3150円まで買われ、年初来高値を更新した。
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