豪ドル底堅い　豪10月利下げ観測が後退

25日の外国為替市場でオーストラリアドルが主要通貨に対して底堅く推移している。米中貿易問題に対する懸念が再燃し、豪ドルの上値を抑える一方、10月の豪利下げ観測の後退で下値を支えられている。

オーストラリア準備銀行（中央銀行、RBA）のロウ総裁が24日の講演で、追加利下げが必要になる可能性があると述べた一方、今後数四半期で経済成長は緩やかに加速すると予想したことを受け、10月の利下げ観測が後退。豪ドルの対円相場は同日夜、73円台前半まで買われた。

しかし、トランプ米大統領が24日、国連総会での演説で中国の為替操作や貿易慣行を批判し、米国民にとって悪い取引は受け入れないと発言すると、豪ドルは売りが優勢となり、アジア時間の25日午前にかけて72円台後半まで水準を切り下げた。

日本時間午前11時にニュージーランド準備銀行（中央銀行、RBNZ）が政策金利を据え置くと、ニュージーランドドルが上伸。豪ドルもこれにつられて上昇し、正午前に73円の節目を再度試す場面があった。

豪ドルの対米ドル相場は24日夜から数度にわたり心理的抵抗線の0.68米ドルを試す展開。しかし、この節目よりも上に長くとどまることはできずにいる。

必要ならさらに緩和の用意と豪中銀

ロウ総裁は24日の講演で、必要なら政策をさらに緩和する用意があると述べ、低金利が長期にわたり継続する必要があるとの見方を示した。

総裁はまた、量的緩和を検討するかもしれないが、可能性は依然として低いとの見方を示した。

豪中銀は今月3日の会合で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1％に据え置いた。10月1日に次回理事会を開催する。

NZ中銀、金利据え置く

NZ中銀は25日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1％に据え置いた。大方の予想どおりだったが、市場の一部は中国の景気減速などで同中銀がハト派寄りの姿勢を示す可能性があるとの見方を示していた。

NZドルの対円相場は67円台後半から一時68円台前半まで上昇。19日以来の高値を付けた。

AUD/JPY 日足チャート (出所: IG証券)