新型肺炎株―塩野義が反発、10分で結果判明のコロナ検査キットで提携
・一滴の血液検体で測定可能
・クラボウは続落
17日の東京株式市場で塩野義製薬<4507>が反発。10分で検査結果が得られる新型コロナウイルス抗体検査キットの導入に向けて国内バイオベンチャーと業務提携協議を開始したと発表したことが材料視された。マザーズ上場の創薬ベンチャーのアンジェス<4563>は引き続き買いを集めた。
塩野義の終値は前日比35円(0.75%)高の4675円。
塩野義は朝方に年初来安値となる4487円を付けたが、相場全体の上昇に伴い水準を切り上げ、午前遅くにはプラス圏で取引された。前引け終値は0.81%安。
同社は前引け後の午前11時半、バイオベンチャーのマイクロブラッドサイエンス(MBS)との業務提携協議の開始を発表した。後場は買い気配で始まり、一時5.34%高の4888円まで上昇している。
塩野義はMBSが中国企業から輸入している新型コロナウイルスの抗体検査キットの医療現場などへの供給を目指し、キットの販売や取り扱いに関して協議を進める。空港や港湾での入国者の検査や事業所、学校などでの接触者等の検査にキットを供することも想定している。
このキットが採用する血液検査技術は、新型コロナウイルス感染の初期に体内で産生されるIgM抗体、およびIgMより若干遅れて産生・増加するIgG抗体の両方を測定する免疫クロマト法(金コロイド法)。一滴の血液検体からの測定が可能で、10分で検査結果が得られるという。
現在普及しているコロナウイルスの検出法はPCR(DNAポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる手法。喉などの粘膜を検体として採取する。 結果判定まで4~6時間程度を要する。
アンジェス
マザーズ上場の創薬ベンチャーのアンジェスは4営業日の続伸。終値は48円(7.1%)高の724円。一時、10.95%高の750円まで買われた。
商いは盛況で出来高が2000万株を超えた。出来高ランキングはマザーズ銘柄でトップ。
アンジェスは今月5日に新型コロナウイルス対策の予防用ワクチン開発に着手すると発表。さらに16日にオーストラリアで実施中の高血圧ワクチン開発のための臨床試験で予定する患者への投与が完了したと発表している。
アンジェス株はワクチン開発への着手を発表する直前の4日終値からこの日の高値までの上昇率が75%を超えた。
クラボウ
一方、繊維メーカーのクラボウ<3106>は続落した。終値は119円(5.46%)安の2062円。
クラボウは12日、新型コロナウイルスの感染の有無を15分で判定できる検査キットを16日に発売すると発表し、12日、13日両日にストップ高となった。
16日朝方には2798円を付け、昨年来高値を更新。しかし、その後は利益確定の売りに押される展開となっている。
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