スラックが一時10%超下落、マイクロソフト「Teams」利用者が2000万人突破
・Teams利用者、7月の1300万人から増加
・スラック株主のソフトバンクGは続落
19日の米株式市場でビジネス対話アプリ「Slack(スラック)」を展開するスラック・テクノロジーズ<WORK>が急落。一時前日比10%超下げる場面があった。競合アプリ「Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)」を運営するマイクロソフト<MSFT>が、チームズの1日あたり利用者数が2000万人を超えたと発表し、競争激化が懸念された。
スラックの終値は前日比1.93ドル(8.35%)安の21.18ドル。一時、10.69%安の20.64ドルまで下落した。
出来高は1612万3800株となり、9%超下落した先月18日以来の大商いとなった。
同社は今月12日に19.53ドルの上場来安値を付けたばかり。終値ベースでは11日の20.13ドルが最安値となる。
スラックは6月20日にニューヨーク証券取引所に上場した。初値の38.50ドルは、ニューヨーク証取が事前に示した参考価格の26ドルを48%上回る水準だった。しかし、初日の取引で付けた42.00ドルが現時点で上場来高値となっている。
マイクロソフトはチームズの1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が2000万人を超えたと明らかにした。初めてユーザー数を公表した7月時点では1300万人で、チームズが急速に浸透してることがうかがえる。
チームズはマイクロソフトのクラウドサービス「Office365(オフィス365)」に含まれるビジネス対話ツール。チャットや電話、ウェブ会議などができる。
スラックは9月、顧客数を1200万人と発表しており、チームズの利用者数はスラックを超えた可能性がある。
スラックの足元の時価総額は115億2400万ドル。一方、マイクロソフトは世界2位に相当する1兆1500億ドルの時価総額を誇る。マイクロソフトはビジネス対話アプリにおける優位性の奪取に取り組んできた。
目標株価
ウェドブッシュ・セキュリティーズは7日、スラックについて1年後の目標株価14ドル、投資判断「アンダーパフォーム」で調査を開始した。
同社アナリストのダニエル・アイブス氏はマイクロソフトとの競争を指摘。スラックのソリューションは印象的で強力な成長機会を持つものの、チームズが大きなハードルになり、浸透は徐々に難しくなると予想した。その上で、チームズの脅威により、市場予想よりも早期にスラックの成長は鈍化する可能性があるとの見方を示した。
一方、アイブス氏を含む金融機関のアナリスト15人の目標株価の平均は30.93ドル。
スラックにはソフトバンクグループ<9984>傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が7.3%出資している。
20日の東京株式市場でソフトバンクGは続落。午後2時12分現在、前日比44円(1.03%)安の4228円で推移している。
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