マクダーモットが16年ぶり安値、巨額損失発表後 千代建の米LNGパートナー
・7~9月期は19億ドルの赤字
・経営再建でアリックスが助言
6日の米株市場でプラント建設大手マクダーモット・インターナショナル<MDR>が急落し、16年半ぶりの安値を付けた。マクダーモットは米ルイジアナ州のキャメロン液化天然ガス(LNG)プロジェクトにおける千代田化工建設<6366>のパートナー。
マクダーモットの株価は4日の巨額損失の発表と5日の最高財務責任者(CFO)辞任の発表を受け、5日以降続落している。
6日終値は前日比0.13ドル(8.02%)安の1.49ドル。これは終値ベースで2003年4月以来の安値となる。9月に株価が急落した際は1.58ドルで下げ止まった。
マクダーモットが4日に発表した7~9月期決算は、当期損益が前年同期の200万ドルの黒字(1株あたり利益0.01ドル)から、19億ドルの赤字(1株あたり損失10.37ドル)に転落した。売上高は21億ドル。
市場予想は1株あたり損失が0.72ドル、売上高が24億6000万ドルだった。
マクダーモットは巨額損失の主因として約15億ドルの減損処理を挙げた。これは9月の株価急落や、一部プロジェクトにおける予算超過に関連したものという。
経営再建
マクダーモットの株価は9月18日に一時、75.51%下落した。企業再生を手掛ける米経営コンサルタント会社のアリックス・パートナーズを起用したとの報道が背景にあった。アリックスは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する際の助言役として有名。
マクダーモットはその後、直ちに利用できる6億5000万ドルを新規ファイナンスで確保したと発表している。ファイナンスの条件の1つにチーフ・トランスフォーメーション・オフィサーの採用があり、マクダーモットはこの役職にアリックスの幹部を起用している。
また、マクダーモットは5日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、スチュアート・スペンス最高財務責任者(CFO)が4日付で辞任したと明らかにした。他の機会を追求するための辞任と同社はプレスリリースで説明。後任のCFOにはクリストファー・クランメル氏が就任した。
7日の東京株式市場で2部上場の千代建は前日比14円(4.68%)安の285円で取引を終えている。
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