豪ドル、対米ドルで17年ぶり安値 米ドルに安全資産の強み
・豪中銀が19日に追加利下げとの見方
・豪ドル、対円では一時64円割れ
18日の外国為替市場でオーストラリアドルの対米ドル相場が2003年以来約17年ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、資源国通貨である豪ドルが売られる一方、米ドルがセーフヘイブン（安全な逃避先）通貨の強みを発揮している。こうしたなか、市場ではオーストラリア準備銀行（RBA、中央銀行）が19日に追加利下げを発表するとの見方が多い。
豪ドルの対米ドル相場は日本時間17日夜に0.60米ドルの節目を割り込み、18日未明に0.59米ドル台半ば付近まで下落した。18日のアジア市場では0.60米ドルを挟んでもみ合う展開。
トランプ米政権が17日、コロナウイルスによる経済への打撃を抑えるため、総額1兆ドルの景気刺激策の検討に入ったことが伝わり米株相場が上昇すると、米ドルも上値を追う展開となった。
米連邦準備理事会（FRB）も17日、企業の資金繰りの支援を目的にコマーシャルペーパー（CP）を買い入れる緊急措置を10年ぶりに発動すると発表。米株の買い安心感につながった。
豪ドルの対円相場は対米ドル相場に追随して17日夜に一時、64円の節目を割り込み、約11年ぶりの安値を付けた。ただ、その後は円が米ドルで下落するなか、豪ドルは底堅く推移した。
豪中銀、追加の政策発表へ
豪中銀のロウ総裁は16日、追加の金融政策を19日に発表すると明らかにした。総裁は声明で、豪国債を流通市場で購入する準備があるとし、量的緩和を実施する可能性を示唆した。
市場では中銀が19日に政策金利であるオフィシャルキャッシュレートの0.25％への引き下げ、ならびに国債の買い入れを発表するとの見方が多い。
中銀は新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための措置として今月3日の理事会で0.25％の利下げを決めており、政策金利は過去最低の0.50％となっている。
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