金相場、1年後は1800ドルへ 換金売りいずれ和らぐ━ゴールドマン
・短期的にボラティリティ高い
・原油急落がロシア中銀の金買い抑制
ゴールドマン・サックスは1年後の金相場について、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済へのショックを理由に従来の1トロイオンス=1800ドルの予想を維持した。一方、3カ月後と半年後の予想を引き下げた。
貴金属情報ウェブサイトKitcoによると、ゴールドマンは金について強気の見通しを継続すると表明。世界経済に対する予想を超える大きさのショックが、より大規模なリスク回避の動きをもたらす可能性が高いためという。
先週以降の金相場の下落の背景には「換金売りラッシュ」があると指摘し、金の強気派が買い玉を手じまったためと説明した。さらにはこれまで金の保有を増やしてきた主要産油国ロシアの中央銀行が、原油相場の急落により金の購入を停止し、恐らくは売却したとみられることも金の下落の一因との見方を示した。
金相場は短期的にボラティリティが高まると予想。3カ月後と半年後の予想はいずれも100ドル引き下げ、それぞれ1600ドルと1650ドルとした。
とりわけ中央銀行による金の購入減少が相場を抑制するとし、特にロシアは原油安により金の購入資金が従来よりも減少するとの見方を示した。
その上で、2008~09年の金融危機時に金相場は5カ月で27%超下落したが、その後、1900ドル超に向けた上昇が始まったと付け加えた。
換金売りからリスク回避買いへ
ゴールドマンは、金の換金売りはいずれ和らぎ、経済ショックへの懸念に基づく買いがこれに取って代わると予想。08年の金融危機の際は、同年11月の米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和の発表が転換をもたらしたと指摘した。
今回はFRBが15日に米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の7000億ドルの買い入れ方針を発表しており、前回の危機よりも金の回復は早いだろうと予想する。
17日のニューヨーク金先物相場は6営業日ぶりに反発。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月限は前日比39.3ドル高の1525.8ドルで終えた。16日は一時は1450.9ドルと中心限月として19年11月以来約4カ月ぶりの安値を付けていた。
金先物相場は今月8日、約7年3カ月ぶりに1700ドル台に乗せる場面があった。
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